惚れられているが嬉しき浴衣かな
*
これは我が輩の俳句。夏に投稿したが、それで終わった。反応はなかった。落選だった。
*
いい人に惚れられているというのは嬉しいものだ。それが着ている浴衣の裾捌きにも出てしまう。浴衣を夏風が吹いて、おんなの人の感情を煽り立てる。赤い鼻緒の下駄も,それを知って、心地よげに、高い音を立てる。
こころのないはずの浴衣が嬉しい感情を持って、夏の夕方のひととき、それを薫らせて来る。
惚れられているが嬉しき浴衣かな
*
これは我が輩の俳句。夏に投稿したが、それで終わった。反応はなかった。落選だった。
*
いい人に惚れられているというのは嬉しいものだ。それが着ている浴衣の裾捌きにも出てしまう。浴衣を夏風が吹いて、おんなの人の感情を煽り立てる。赤い鼻緒の下駄も,それを知って、心地よげに、高い音を立てる。
こころのないはずの浴衣が嬉しい感情を持って、夏の夕方のひととき、それを薫らせて来る。
死んで行く人にも入道雲白く
*
わたしの俳句。投稿したが落選だった。俳句になっていなかったのだろう。
*
空に入道雲が湧いている。人が死んだ。人が一人息を引き取ったというのに、それを察知しなかったかのように、いつものように白い雲が大空に上って光った。人が死んだくらいでは大空はビクともしていなかったのだ。泣いて,泣き崩れたりもしないで、平然としていた。それでいいから、そうしていたのだろう。それが何だか嬉しくもあった。
人が死ぬのは、死んでいいから死ぬのである。死ぬのがいいから死ぬのである。正しいことが正しく遂行されたのである。それが正しく受け入れられたのである。
昨日、眼科医院に行って、白内障両眼手術前の、いろいろな事前検査などを受けて来た。手術は11月5日と決まっている。4泊の入院をする。
8時半に受付を済ませて,待って、いろいろな検査を受けて、ドクターの診察を受けたのは11時ほどだった。薬をもらって医院を辞去したのは正午近くだった。その間、多くの時間を待合室の椅子に座っていた。
患者がすこぶる多い。そのほとんどが、我が輩と同年齢近いご老人のようだった。見るともなく観察に及んだ。みなさん大なり小なり足下がふらついている。立ち居振る舞いがのろい。よろけながら歩かれる。みな我が輩を鏡に映しているようで感慨深かった。
長年生きているとあれこれ心身の機能が衰えてくる。衰えて衰えて老人になって長生きをしている、ということになる。
で、ふっともういいなあ、というようなことを思った。もういいなあ、十分生きたなあ、したたかに長生きをした。という感慨である。いつ死んでももういかなる種類の悔いをも、持ってはならないぞ、と思った。
我が家の家の周辺、東西南北、どこも畑。畑に囲まれている。お爺さんが一人で畑仕事をするだけの広さがある。
畑には、いまはフカネギ、小葱、大根、白菜、キャベツ、レタス、ブロッコリー、春菊などの、秋野菜冬野菜が育っている。
四月に植え込んだピーナッツ落花生やツクネ芋などは繁茂を窮めているので、まだ収穫していない。ピーマン、オクラもまだ残っている。
*
さっき、家の周囲をぐるりと一周して見て回った。
その後、昨日植え付けた蔓ありスナップエンドウ豆20株に、殺虫剤オルトラン粒剤を撒布してきた。そうしなければ、虫にすっかり喰われてしまう。畑を見て回れば、なにかしら気づきがあって、仕事に着手することになる。これでお爺さんは元気をふくらませることになる。
毎日そんなことをして日を送っている。老人老人している。
鬼灯(ほおづき)が少女三人(みたり)の口の中
*
鬼灯の赤い実の種を出して空っぽにして、それを口の中に含んで、それで小さく笛を鳴らして、幼い遊びを遊んでいる少女三人。あどけなくしていられるのだ、まだこんなふうに。
*
わたしの落選の俳句。この夏に投稿していた。
*
落選は苦しい悲しい。苦しく悲しくなるために投稿したのではなかったが,結果的にはそうなっている。選者の目には触れることすらなかったのだろう。
オヒシバとメヒシバ草も夏の恋
*
草も恋をするんだった、人間だけじゃなかった、それが嬉しくて野原に来て眺めている。オヒシバとメヒシバの堅い小さな花の粒が、異性を求めて、空に伸び上がっている。
*
この夏にわたしが投稿した落選の川柳作品。
*
夏も終わった。オヒシバもメヒシバも、わたしの恋も、枯れてしまった。
10月28日、月曜日が来ました。曇り空をしています。予報では終日曇りらしい。午前8時20分の外気温は18・6℃。ひんやりします。
雨が降らないのなら、畑に出て行けます。小さなポットに3粒ずつ種蒔きしたスナップエンドウ豆がみごとに発芽して、茎を伸ばしてきました。畑に植え替えをして上げねばなりません。1袋の種の全部ですから、40ポットほどもあります。
ちょっと多すぎますね。欲しい方にはお分けできます。
畑に植え替えたら一列に20株ずつ2列植えられそうです。蔓ありエンドウ豆ですから、上っていくための網が必要になります。お爺さんに仕事を与えてくれます。有り難いことです。
ピンク色の、大輪の、ハイビスカスが咲きました、一週間ぶりに。
キレイキレイ❗
ハッとさせられます❗
玄関咲きの小さな鉢に植えて育てています。
霧雨が降っています、夕方から。
霧雨でも降っていれば畑に出て行けません。
*
家の中から眺めています、畑の秋野菜を。
これだけ気温が下がって来たら、野菜物が順調に育ちます。
*
午後から衆議院選挙の投票に行って来ました。
わたしの通った小学校が投票所になっていました。
*
投票に来ていた教え子さんに「先生こんにちは」と声を掛かられました。
覚えてもらっていたことが嬉しいです。
イマガイチバンシアワセ。
何度も呟いてみる。
そしてその気になる。
今は単独の今だから、・・・よりも、の比較対象がない。
比較はない。だから、イチバンは無意味なんだけど、感覚的に使ってみる。
*
午前8時50分。秋の日が畑の土に下りて広がって静かにしている。お爺さんも静かにして、それで朗らかにしている。
イマガイチバンシアワセ。
お爺さんのイマガイチバンシアワせな時間。
*
訪ねて来た今を、イチバン幸せにしてあげているのは、お爺さん。