二人が会った英国のブライトンはヨーテボリと同様海辺の町、研究や言語研修には理想的な国際都市だ。インガーと私は言語研修の中級クラスで出会った。毎日さまざまなテーマで討議するスタイルの授業が多かった。ある日の授業で講師レイチェルから「人生にとって何が大事か意見交換しましょう。あなた方は世界中から来た学生なので文化の相違が見えて面白いでしょう」と問われた。私は「自己実現と他人への奉仕活動」と答えた。レイチェルは「まだあるでしょう。何か大事なことが!」とまだまだ、を繰り返した。私が首を傾けていたら、「Be Relaxですよ!Relaxしてこそ充電できて次に進む活力が生まれるんではないですか!日本人はみんな真面目過ぎます。前向きなことばかり思いつめていると息切れしますよ!」その通りだと思い、その指摘は胸に沁み込んだ。しかし私は今でも旅以外は休みを楽しまず、昼食は立ってかき込みたいぐらいに寸暇も惜しむが、このときのレイチェルの言葉は記憶の底から首を擡げては私を戒める。「Be Relax, Ayako!」と。(続く)彩の渦輪