あけぼの

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猛暑は幸福感を招く

2010-07-26 16:37:44 | アート・文化

「心頭滅却すれば火もまた涼し」は信長に焼き討ちに遭った甲斐の禅僧の言葉だ。猛暑の最中庭木のテッペンに登って剪定をする。目的を持って踏ん張る足腰には緊張感が走る。滴る汗を拭くことも出来ない状況に置かれれば無心に仕事をするだけだ。一区切りするまでは一心不乱、暑さなど念頭にない。こんなひと時を幸せと言うのだろう。

 暑くなると思い出されるのがサイパン島で玉砕兵士や民間人たち。渇きと飢えと絶望の中で祖国のために犠牲になった先輩たちだ。進むも地獄、引き返すのも地獄、彼らは暑さなど感じなかったに違いない。自分の夏休みは魚捕りやセミを追いかけた。お盆には生き物は捕るなと言われた。真っ黒になるまで蚋が素足にたかったが、噛まれても平気で魚捕りに集中した幼少のころが懐かしい。歳を重ねた今、環境に支配されることなく打ち込めるものにアクティヴにトライ出来る幸せを思う。流れる汗と共に体内の毒素は消えると信じる。(自悠人)