永遠に歩き続けたい石畳の街、リスボン 地下鉄や近郊列車にもバスにも便利なオリエンテ駅周辺に宿をとったが、驚くほど巨大でモダンな駅だ。先ずは夫の希望、ユーラシア大陸最西南端の街サグレスを目指し、ラゴスまで切符を買った。英国航空のニックが降りる時「日本と日本人大好き」とスコッチ小瓶7本、シャンパン4本もくれたので、列車ごとに隣席の人と乾杯し、アンケートに答えてもらった。最西南端地域については次回に譲り、リスボンに戻ろう。メトロのベンチに座り合わせた客にリベルダーデ通りへの行き方を聞いたらそのスタート点のエドゥワルド公園まで一緒に行ってくれた。「日本に行った時人々が親切だったから」と。ここから坂道を緑に染まりながら下りて行くとポンバル侯爵広場に出る。リスボンの守護神、サン・ヴィセンテと烏のデザインの美しい石畳だ。石畳の坂道や人々の笑顔が満喫できる郷愁の街リスボンは脚が棒になっても歩き続けたい街だ。
あった!モラエスの家 思い出し、ポルトガル領事として日本に来てヨネやコハルと暮らし、日本を世界に紹介した作家、モラエスの家を探した。毒舌夫は「そんな家探して何になる」とご機嫌斜め、意地の筆者が急な坂道をエッチラ登ると、あるビルの壁面に以下の日本語が。「葡国海軍士官にて作家たりし・・・モラエスが生まれ育ちたる家なり。長き歳月を愛する日本に過ごしたる彼は祖国に思いを馳せつつ彼の地に死せり。日本国宇留野精華言」。日本を愛したモラエスの生家の階段は埃にまみれていた。(彩の渦輪)続く