翌日は夫と別行動で街を散策、土産物屋が侘しく佇み、点在するホテルも華やかさが無かった。昨夜のショウグループの練習風景に出くわし、言葉を交わしてまた滝へ。昨日よりひどいシャワー(飛沫)、まるで大雨だ。そのせいか今日は虹は滝の前にはない。遊歩道を歩く筆者の眼前に、身の丈程度の小さい虹が次々と現れる。歩いても歩いてもまた次の虹がある。信じられず何度か後戻りして確かめたが同じ場所に虹はあった。1時間の歩行中10回は現れただろうか。全身濡れ鼠で「歩いてもオ、歩いてもオ、虹は目の前にイ~」と石田あゆみの歌を替え唄にしながら虹のアーチを次々とくぐり続け、道の反対方向からやって来る人々にも小さな虹の存在を教えた。Ayakoという名のちっぽけな人間がいよいよ小さく思え、幼児が縄跳びをするように虹のアーチをくぐった。子どもに帰った筆者は霊感を受けながら、未来への小道を足取り軽く歩き続けた。シャワーはもはや脅威ではなかった。(彩の渦輪)