年2回、Cincinnatiに戻る。今回もいつも泊めてもらうイーナの家へ。イーナとは30年以上のつきあいで、彼女の家は我々が20年住んだ旧住所からほど近く、家を売って帰国したとき私物を少し置かせてもらった仲だ。彼女は、以前は日本人学生を格安で下宿させていたが、最近はモーリタニア等の留学生や難民に無料で部屋を貸す神様のような人になっている。我々も過去8年間、年2回はシンシナティに“帰郷”し、寝泊りに使わせてもらっていた部屋が今回グァテマラからの難民母子3人に占領されていた。イーナはこの母子に無料で2階を使わせているという。長年の友人である我々夫婦にも1部屋を借してくれたが、今回われわれの布団一式や重要書類箱が無くなっていた。8年間無事だった私財だったが。この母は片づけの出来ない人、二階2部屋の床や浴槽にゴミがごろごろ転がっていて気持ち悪い。床中にゴミを捨てる女性なのだ。スペイン語圏やスペイン語が大好きな筆者、もちろんグァテマラは訪問済みで、イーナの家に着くまでは彼女とスペイン語でグァテマラの話をするのを楽しみにしていた。だが、部屋の出入りの度にいやでも眼前に汚い部屋が見えるのは気持ち良くない。“きれいなQueen’s English”を話すイーナは勿論“きれい好き”だが、“汚な好き”の女性の部屋を気にしていないようなので、“きれい好き”の筆者が去るのがよいだろう、と、Cincinnati最後の数日はホテルへ移動した。イーナとのおしゃべり時間が減るのはとても残念だったけれど。 (彩の渦輪)