歌姫に誘われた台湾の春節（旧正月）

　気候が良く繁栄の一途を邁進した台湾。何度も訪問しお馴染みの国だが春節に関心を抱き、知人の招待もあり、つい先週訪ねた。知人宅宿泊は3夜、後は息子さんの運転で台北北部を動き回った。歌姫テレサ・テンは特別好きというわけではないが彗星として登場、数奇な運命を経て一世を風靡した。テレサの像がある噂の公園を訪問してみた。今も生きているテレサ　ボランテアの墓守りが参拝者に点火した線香をくれる。質問すれば彼女の人生を教えてくれる。そして「有難うございました」と日本語で言葉を添える。墓守はファンだったが、ファンとは有難いものだ。墓地には花やコイン類が供えられ100円硬貨も目立っていた。日本人の参拝者も多いのだ。周辺には彼女の歌が流れ、金箔の実物大の像が人目を惹く。在りし日の歌姫が連想され、抒情歌は哀愁を誘うばかり。日本人の魂に訴える日本語の歌詞や演歌は聞くほどに味わいがある。彼女は文化の違う日本という国で連続でヒット曲を飛ばしたが、その実力は称賛に値するだろう。「虎は死して皮を残す」と諺にあるが、彼女のこの歌声はトラの皮に匹敵するだろう。一帯に高級墓地が広がり両親もその一隅に眠っている。両親に届け、台湾の人々にも日本からの観光客にも響き渡たれ、テレサの歌声！(自悠人）