かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

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自宅を守る

2009-03-06 | 事例
Mはどうしても自宅を守りたいです。
唯ローンが大分残って居り、自宅の時価よりは低いが、
どっこいどっこいではないかと思われる物件です。
理屈では有りません。とにかく守らなければ自分と云う
人間の存在が無くなるなるような気持ちです。

「担保を付けて完全無剰余の状態にすれば守れるよ。」
一寸知って居る人から教わりました。無剰余と云うのは、
下位の抵当権者が配当を得ようと、競売したとき、自分に
配当が回らないばかりか、上位の者にも不足が出る時は、
其れを補填しなければなりません。無剰余のなりそうな
場合は裁判所は競売申請は受け付けますが、確かに補填が
出来る証として保証金を取るという制度です。

「そんな制度があるならば、知って居る人に抵当権を
 付けて貰えばよいんだな。」
軽く考えて居ましたが、いざやろうと思ったら大変です。
債権者は「何で担保など設定したか、我々に弁済するのが
嫌だからだろう。」と「詐害行為取消しの訴訟」を起こしてきます。
此れが裁判になった時に勝てる理由を用意しおかないとなりません。

借りる相手を探すだけで一苦労です。
大切な財産を預けるわけですから後で問題なく抵当権を
解除してくれる人で無いと困ります。
其ればかりか借りる理由とその証拠。
お金の動きをどうするか。等問題があり、身内以外は
候補者が見つからないことが多いです。早くから付けて
置く場合は兎も角、必要だからと急に抵当権をつけるても、
殆ど争いになり、争いに勝った成功例は見ておりません。

「無剰余にするにも簡単に出来ないならば名義を変えるのが
 一番良い。名義を変えるならば売買か贈与だ。」
考えはこうなります。しかしこれも大きな難点があります。
本当の売買ならばよいですが、Mは此処に住むことが最大の条件です。
債権者に売買後も住んで居る事を納得させる理由を考えて置かないと
なりません。又そんな物件は第3者に売る筈も有りません。
考えるだけで実行されないことが例が多いです。

「親子・夫婦でローンつきの不動産の売買を
 考えるからおかしいんだ。ローン付きで贈与にすれば?」
考えが発展します。いわゆる負担付き贈与です。その前にローンを
自分が負担して、物件を贈与する合法なことを考えます。
「結婚20年の配偶者に自宅を贈与しても2000万までは、
 贈与税が掛からないだって。」
早速奥さんに名義を変更します。
「税務署が認めるのだから詐害行為になるはずが無い。」
と有頂天です。ところがあっさりと詐害行為の訴訟を
起こされ敗訴された実例を示されました。
税法と民法との違いです。
一方がよくても一方が駄目にことは幾らも有ります。

若干違うが生前贈与も騒がれる一つです。しかし、これは65歳以上に
なって居なければ適用されません。Mはこの実例で争った人を
探しましたが見当たりませんでした。恐らくこれも贈与して
2年くらいまでは、詐害行為で敗訴になると思います。

最後に行き着いたのがローンつきで贈るいわゆる負担付贈与です。
ローンも自宅もともに名義を変更します。成功例も探し当てました。
親のローンを肩代わりして名義を変更した例です。銀行も名義変更に
一役買ったのですから詐害行為には先ずならないでしょう。

Mは息子に負担付贈与を思いつきました。
銀行は1行でなく2行です。
全く同じ条件でローンも組みかえればOKです。
息子の収入は大丈夫です。しかし銀行は2行ともNOでした。
「名義変更は新たな名義人が追加保証人になってくれれば認めます。
 ローンの肩代わりは出来ません。」

負担付きでないと贈与税も高く懸かりますし本当の
贈与ではなく詐害行為に近くなります。
「では実質息子が負担することにして、ローン代をMに払い、
 Mが其れを払ったらどうだろうか。贈与税はそれでも負担付と
 認めてくれれば、債権者に対しても口実にはなるだろう。」
所轄の税務署まで聞きに行きました。
税務署は息子の収入とお金の流れが明確になって居るならば
負担付贈与と認めると返事を呉れました。

時価は日増しに下がっていますが、時価のほうが
ローンより多いのは確かです。
この物件、詐害行為にもならないでしょうか。
見逃してくれるでしょうか。





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