かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

銀行が嫌った資金繰表

2009-03-28 | 事例
「君んとこの手形、銀行に持って行ったら割れないと云われたよ。
 何かあったんか。噂になるとまずいよ。」
古くからの付き合いからの電話です。

県内の有力な地銀です。支店こそ違え、彼の会社は明治の頃から
その銀行と付き合っています。その銀行が何故?
彼は直ぐに担当に電話をしました。
「何かの間違いでしょう、」と即座に否定するかと思って居たのに
支店のグループ長の声は意外と冷ややかです。
「夕方いらっしゃいませんか。お話があります。」

10月11月の最盛期の手形が、一番の端境期の1月から3月までに
回ってきます。発行方法を変えようと何年来、懸案になって居ますが、
何時も資金繰りに 追われて改善も出来なく毎年苦しんで居ります。
今年も同じでした。
今までは何のかんのと言いながら銀行は助けてきて居ります。

今年も暮れのうちに融資はお願いしました。
銀行の渋い顔は年々ひどくなるばかりです。しかし何とか言いながらも
又書類を出すように云われました。こうなると融資は間違い有りません。
「一寸返事が遅いな。」と思っているところに断わりの電話があったのです。

「銀行も冷たいものだ。」
しかしどうも単なる断りとは違います。
融資をしないために 心配になるのか、グループ長が良く電話を呉れました。
大丈夫かと云う打診です。こんなこと初めてです。
最初は銀行の親心と思って居ました。
本当に不渡りになるならば寸前に助けてくれるのかと少し安心したものです。

だからこそ一層世話にならずにやろうと躍起になって来ました。
お陰で山を越えた4月の声も聞けそうです。
営業の見通しは思ったより明るいのです。
その時に飛んでもない噂を撒かれては、大きなマイナスです。
しかもその噂の根源は最も信頼関係にある筈のメイン銀行です。

「その支店が割らなかったことは本当です。
 御社の手形は銘柄だけでは割りません。
 同じような指示が本店から全支店に流れているでしょう。」
考えもしなかった予想外の言葉、彼は言葉も出ません。
「今回の融資は支店としては応じる積りでした。
 しかし頂いた資金繰り表を見て驚きました。
 不足額が当行の予想より3倍近いです。
 支店では判断が付かなくて本店にお伺いをしました。
 その結果が今回のようなことになったのです。」

そうです。
単に不足だけでは貸さないだろうと思って彼は思いきっり不足の
資金繰り表を作り銀行に提出したのです。
銀行はびっくりして即座に融資をすると思ったのです。

結果は全くの裏目でした。
支店はこんな不足ならば少しくらい運転資金を回してもこの会社は、
持たないと見て本店にお伺いを立てたのです。
本店の見方はもっとシビアでした。
2-3ヶ月で倒産必至と見て各支店に通知したのです。

「経営者だから、特に資金は最も悪い状態の時を想定します。」
と弁解したものの、一旦出た本店通知は簡単に取消しが効くものかどうかは
知りまん。しかし、この噂が広まると県内の業者の中には今後の付き合いを
セーブする業者が現れるでしょう。

仮に本店が通知を取り消してくれたしても、虚偽の報告書が提出されたと、
大きな不信感は消えないでしょう。


騙すなんて積もりは毛頭有りませんでした。
でも騙されちゃった銀行、唯でさえ気が重い毎日に又大きな悩みごとが
出来ました。





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