かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

経営者の禁句

2009-03-09 | 事例
「税務署に売掛金を差押えられました。」

「何?確かに若干の滞納はあるって聞いていたが、
 まさか差押えられるほど滞納になって居ない筈だが。」

「私もそう思って居ました。確かに長いのは3年になりそうなものが
 あります。しかし若干でも払って居りますし、まさか差押があるとは
 夢にも思って居ませんでした。」

主に鉄鋼の賃作業が、主体です。
主な得意先は6軒、常時注文を呉れます。
特殊加工の為に、そのほか飛び込みも結構あり、今時、
注文は減ったとは云え、会社は何とか回っています。

奥さんがお握り屋を開くと云うのでその資金3000万ほどを
投資しました。2年ほど前です。全くの失敗でした。
此れを見ていた金融機関は何処も貸出をストップしました。
でも借入の返済だけはきちんと守ったため、にたちまち資金難です。
商工ローンに手を付けて、ヤミ金まで到達するのに時間は懸かりませんでした。

同時に税金の払いも止まったのです。
分割で切って居た小切手も当初は決済できましたが、
最近では差し替えばかりで税務署を怒らせるばかりです。

堅く約束した小切手を又書き換えて貰いました。
二人の税務署員が訪れたのは、次の日です。
急に調査です。

調べて商工ローンやヤミ金のことは掴んだと思います。
「こんな状態ですから、当社は近いうちにやって
 いけなくなることも覚悟して居ります。」
お金が無い、払えないことを強調するために、ついこんな事を口走ったのです。
「そうですか。会社は倒産ですか。」
私が黙ってうなずくと係員はもう何もせずに帰ったのです。

「よかった。此れで税務署も潰れそうな会社には
 少し手を抜いてくれたのかな。」
と思っているところに翌々日の事です。
一番の売掛金のある得意先から電話です。
「お前んとこの買掛金、税務署に差押えられたよ。
 内はそっちに払わないといけなくなったよ。」
寝耳に水、びっくりしました。
其処ともう1軒差押さえられていたのです。ほぼ滞納額です。

税務署に直ぐに電話をしました。
「分割で必ず払うから。」と言っても相手にしません。
「経営者の貴方が潰れると云ったでしょう。そうなる前に
 税金は回収しなければなりません。優先権も税金二あります。」
なんと云っても承知しません。

差押えられた方に「払うな。」と頼みました。
しかし2軒とも税務署と聞いて「内は税務署に払うしか仕方が無いよ。」
と尻込みして協力して呉れません。

要は経営者が、「近く会社はやってはいけなくなる。」
詰り倒産だと云ったからと言うのです。此れを一言言ったばかりに
売掛金の最大手の2軒を差押えられたのです。会社が潰れれば残った
債権の最優先順位者は、税金の滞納分だと云うのでしょう。

あのときに「こんな状態ですが私は頑張ります。税務署にも
迷惑掛けましがもう暫く待っていただければ必ず完納します。」
とでも威勢よく云っていれば先ず差押は免れたでしょう。

債権問題など何もわからない社長が、弁護士の手助けで
仕入先の債務一時棚上げに成功しました。
しかし世間には「任意整理」をしたと云う噂が流れたのです。
数日後、税務署員が尋ねてきました。
「任意整理をしたそうですが。」
「ハイ。」
社長は自分がやった事は、任意整理と云うものだろうと思って
返事をしました。とたんに署員の態度が変わりました。
売掛金は調べられるし、金庫は強引に明けさせられ、中にあった
20万を差押でなく自主的納税として持って行かれました。

「任意整理」と云う言葉と社長が其れを肯定したために起こった事です。

真正直がよいとは限りません。
少なくても社長は会社のことを世間に悪く言う事は禁物です。
特に存続に関してはたとい1時間前でもシラを切るべきです。

こぼしたい時はこぼせる相手を作り其処だけにしましょう。
こぼせない。中小企業でも社長の責務です。





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