かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

俺だけ高い和解金

2009-03-18 | 事例
女性です。冷たく聞こえます。
「貴方の弁済額、は300万で如何ですか。」
思いもしなかった額です。殴られたような感じです。
「300万なんてとてもありゃしないよ。桁が一つ違うんじゃないかい。」
「でも貴方の会社の決算書の現預金残高は1600万を切ったことが
 有りませんよ。特に500万は何年も銀行に積みっぱなしでしょう。」
「あれは訳有ってです。少し検討して又此方から電話をします。」
分が悪るそうです。そこそこと電話を切りました。

1億3,000万の債務を背負ってHは返済不可能になりました。
まだ業務は続けておりますが、金利すら払って無いみたいです。
もともと工場は借地。担保の自宅はとうに売却して今は不動産は何も無く、
20名ほどの社員も今は3名だけ。何とか続けております。

この債務には保証人が俺ともう一人居りました。
そのUは、県内では相当な有力者、一族の中からは、各界で活躍中の人も
何人かは居ます。

もう15年以上前です。
同業者の集まり、夜の慰安会で偶然に若い俺がHとUの3人になったのです。
その時にHから新規の事業を別会社でやることを聞き、飲んだ勢い、話を
合わせているうちに何時しか、Hの作る新会社に、Uと二人、理事として
名を連ね、借入保証を約束して居たのです。

勿論、リスクなんて考えたこともないし、当時はまだこの言葉すら
知りませんでした。むしろ、HとU、大手2件と取引が出来、業績は
上がるし喜んで居たものです。

あれから15年です。
羽振りのよかった業界も輸入に負けてすっかり駄目になりました。
ついにUの本体は倒産同様で廃業と聞きました。
Hは新会社1本に絞ったのです。
其処も何時しか期限の利益の喪失になっていたのです。

Uから電話があったことが有ります。
「公庫から逢いたいといってきたよ。今内も火の車。とても払える術は無いよ。
 何もかもオープンにして、弁済金は勘弁してもらうしかないと思っているよ。」
当初800万とか何とかと云っていましたが、やがて200万で和解したよと云う
電話があって以後は梨の礫です。

「へーあそこで200万ならば会社の格から云っても
 俺んとこは高くても50万だな。」
俺は少し安心したものです。
何しろ当初は保証債務の3分の1の4000万の弁済要求があるかと
思って夜も眠らぬくらいだったですから。

思い切ってHに電話をして見ました。
「公庫の弁済の話はどうなって居ますか。」
「俺んとこは払いたくても からっけつさ。公庫も解かって居るみたい。
 どうしようも無いものな。その点Uさんと君には申し訳ないことを
 したと思っているがUさんは何か200万で話が付いたそうだ。
 勿論君はもっと安いと思うよ。頑張ってな。」

しかしそれから何も云って来ずに、代わりにある日公庫の二人が、
突然尋ねてきたことがあります。
無理に決算書を見せられ、不動産のことを聞いて帰りました。
昨年、不動産は全部、息子と家内の名前に変えて置いたのです。
でもそのことは一言も話題にならず、ほっとしたのでした。

それから1年、電話も有りませんでした。
他の二人は終わったのに、俺は免責かなと思いかけていた矢先です。
女性担当員から電話があったのです。
「今は不景気でとても払えない。でも親戚から借りて30万ならば
 払えるからそれで勘弁して欲しい。」
担当者は検討しますと電話を切りました。
「よかった。30万ですみそうだ。」
思いやりのありそうな態度に喜んだものです。

其れなのに、今日の電話。
何で俺がHやUよりぐんと高いのか。先ずこれが頭にきます。
世間的に見て俺よりぐんと高いUさんです。Hだって倒産ではなく
廃業したのです。借りた今の会社だってまだ営業中です。
そんな人から取らなくて なんたって俺から取るのか。

女性でもしっかりしていたな。
食って掛かる俺に短く的確に説明したよ。

会社の内容は両方とも死に体で何も取れるような状態でなない。
給料も二人ともろくに貰っていない。800万の俺とは雲泥の違い。
会社の現預金も宛てにならない二人に比して俺んとこは最低でも
1200万を切ったことがない。3か月分以上の使用分だ。
不動産は一人は皆トラられて何もなく、一人は一杯あるが遥かに担保不足。
それに比して俺には借入もなく、何故か不動産を1年半前に皆奥様と
息子さんの名義に変えてる。どう見ても二人に弁済余力はないが貴方には
あります。300万でもまだ余力はあります。

500万の定期預金。理由などありゃしない。やりようがないから定期で
寝ているだけ。不動産を名義変更したことまで調べていればこれ以上
争って詐害行為なんていわれると逆に五月蝿いかも。

結局大いに不満だったが300万を承知しました。

でもこんな田舎の俺が本当にあの二人より弁済能力があるのだろうか。
300万も痛いが、先ず面白く有りません。






日記@BlogRanking
↑宜しければ、クリックして下さい


↑こちらのランキングもお願いします

 
↑こちらのブログランキングもお願いします

にほんブログ村 経営ブログ コンサルタント・コーチへ
↑こちらのランキングもクリックお願いします