かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

場違いの再起

2013-04-20 | 事例
「何? 今からワインバー?」
若者が集まる全国的に有名な場所。特に家賃は安く借りれるといっても、35年間インテリアをやって来た男が成功するとは思いません。
第一インテリアの得意先を捨てるのは勿体無いではないか
インテリアを続けるべきだろう。

きつく云っても彼の意志は変りませんでした。
リーマンショック以後注文は皆無です。
35年間、資格も無い為に、設計と施行は全て外注でやってきました。
彼は企画兼元請です。
飲食店の内装を木材で荒々しさを出し、其れが口コミで知られて居たのです。
今は其の技巧も普遍化した上、彼のように工務店として何の根も張らなかった店など
世間は拾ってくれません。
悩んでいる彼に、口がかかったのがワインバーのオーナーです。

しかも慣れた女性3名を紹介してくれるという話です。廃業するお店の回しでしょうが、
有り難いです。

「今の借金さえ片付けば、オーナーも悪くないな。」

大手銀行から保証協会付を6000万、プロパーを3000万借りて居ます。担保は有りません。
公庫から2500万借りて居ます。自宅が担保です。
仕事がなくなっても返済は毎月150万、きちんと返して居ました。
其れでもこの時点で3,000万が大手の普通預金に残っていました。
寸前に保証協会付で借りたのがそのまま残って居たのです。

自宅は渋谷の高級住宅地に有ります。8階建ての最上階、85㎡、隣も85㎡があり最上階は
この2軒だけです。
以前、訳あり物と云う事で3200万で中古を買居ました。
今ならば、9000万は堅いと不動産屋は云っているとの事です。
売って抵当権者の公庫に払うのはやむを得ませんが、其の残を大手に持っていかれるのは
嫌です。
彼は、女房とも別れ一人者ですから、老後の資金にしたいのです。

遂行の計画を纏めました
銀行の返済は金融円滑化法がある。依頼すれば大丈夫だろう。
ワインバーは全くの別会社とする。代表者は同じにしても、相手に解かる事は無い。
自宅は大至急売りにだす。遅くも次の書き換えまでには売りたい。
マンション売却の剰余分は、追及が有った場合の口実を酔いして置く。
少なくても4-5000万は掴みたい。

「1年有ればマンションも売れるだろう。其の頃は店も立ち直っているだろう。」
彼は自分にはつきが有ると思って居ます。「だから工務店もやってこれたのさ。」
最近落ちているこのつきを取り戻せば又彼の天下がやってくると思って居ます。

買い手が直ぐにつくと思って居たマンションが売れないのです。
重大な欠格商品と解かったのです。
「かって、此処のオーナーはこの8階に170㎡の部屋を持って居たのです。
 事業に失敗して、此処も売ったのですが、売りやすいように、85㎡を2つ作って
 売りました。
 その時に、両方に玄関を付けるべきを、つけなくて、今までの玄関を2軒で使用するようにしたのです。 
 詰り2軒とも共有の出入口は有っても専用の玄関は無いという状態です。
 之を解決しない限り売却は不可能です。」
設計上、どちらの方にも玄関をつけるスペースなど有りません。
彼のインテリアの知識も全然役立ちませんでした。

ワインバーも悩みの種です。取らぬ狸の皮算用でした。
ベテランと云う女の子。其の子の常連客を期待して居ましたが見事に外れました。
安くて若い子の方がはるかによかったです。

1年が暗い雰囲気の儘過ぎました。3000万の残が1000万近くに減って居ます。
大きいのはバーの赤字補填です。
書き換えまでに銀行が気づき、自宅を担保要求されたら、其れまでです。

彼が改めてマンションを見て考えて居たときに清掃員がきて、お隣とついて居る物置を
開けたのです。中は思ったより広く1畳くらいは有って、掃除道具が入って居るだけです。

「之だ。此処に隣の玄関を作るしか方法は無い。」
隣と折半で工事が完成したのです。
ただし実際の入金は6000万でした。時価の落ち込みもでしたが、修理費用が大きかったのです。

又店にも変化が有りました。駅の反対側のにぎやかの方で居抜きで買い手を非常な廉価で
捜していたのです。
其処の店長の希望でした。
店長と店長が推薦するもの3名をそのまま雇ってくれるならば、兎に角赤字の月は作りません。
万一作った時は、給料返上でも宜しいです。思いがけない条件です。
行き詰っていた彼には、闇夜に仏でした。

「やっぱり僕にはつきが着いて居るのです。一旦之が着き始めると大変ですから。」

自宅の売却と同時に月25000円のアパートを探し、現住所も移しました。
今度の誕生日から年金も貰えます。
之でもう金利もう払いません。書き換えも放って置きます。
之ならば保証協会やサービサーが回収に来ても驚いて帰るでしょう。

齢65で、建築屋からバーで再起か。
こんな人あまり居ないよな。
彼は最近、強気です。




社長の行動が日繰表に左右されないようにはまだ1年以上懸かるでしょう。
しかし今度は本物です。筋金も入りました。
社長の会社に対すれう執着心。人一倍強い執着心がそうさせたと思います。


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4月19日(金)のつぶやき

2013-04-20 | 事例

全然飲めないのにコップ一杯が入った。数人居た静かなスナック。歌など歌ったことが無いが、煽てられマイクを握った。途端、静かなスナックは五月蝿いカラオケ場と化し湧いた。途轍も無い下手が謳ったから、皆安心したらしい。腕をこまねいて居た上手に出場所は無くなったが、ママさんは喜んでいた。


今は知人のところに転がり込んでいる彼も、サービサーから訪問予告を貰うと気になるらしい。「会って現状を見て貰い、払え無い事を説明したら。」と薦めても、会うその事に大きな恐怖心と抵抗感が有るらしい。年金から払っても知人に迷惑を掛けるだけ、1回は勇気を持たないと解決はしない。