「先が一切見えないんだ。お前に発注も今の分で終りだよ。」
非情な宣告です。
此処10年以上は先輩の仕事だけをやって居ます。無ければ飢え死にです。
言葉も出ない彼に、先輩は一言付け加えました。
「やることが無い場合は、お前もワインバーをやれよ。儂の言う通りにやれば
食べる位は軽いよ。お前はワインバーのオーナーになるのだ。」
之が本物になるとは!
平成10年の会話でした。
先輩自身も4軒持っていますが、人にワインバーのやり方を教え、其処から指導料も得て居ます。
彼はこの時の新店の内装工事を請け負って居ました。
最近、仕事が減って来たことは痛感して居ましたが、まさか引導を渡されるとは思って
居ませんでした。
引導渡されて、彼が真っ先に感じた事は、「これからは、お金を持って居なければ。」と云う事です。
今の借入も一寸オーバーです。借りられれば儲け物。
うまく保証協会が通ったせいか銀行は何にも云わずに貸して呉れました。
最後の工事は完成しました。
その他の仕事は何にも見えません。
実際の施行は外注を依頼して居ますから、少ない従業員です。其の2名も解雇しました。
家庭では、鬱の子供が二人居ます。そのために家計に月70万は入れて居ますが、之も削ります。
月に30万から50万は入れないといけないでしょう。預金からです。
親身の相談は先輩以外は居ません。
先輩以外はワインバーには大反対です。
しかし彼はもう之しか無いと思って居ます。
彼は踏み切ったのです。
店舗は先輩のスナックの2階です、
使用人の手配からグラスの数まで先輩は見てくれました。
之で儲かれば云う事有りません。
もう一つ、銀行相手の、資産と負債の件が有ります。
相続で貰った収益物件のマンション3室。無担保が有ります。
渋谷の高級住宅地のマンション。3000万で担保に入って居ますが時価は7000万はするでしょう。
預金は融資も含めて全部で3500万ほど有りますが、返済と経費の出費で見る見る減って居ます。
借入は3行で1億2000万です、
今の内装工事業が駄目になると、銀行は取立てを始めるでしょう。
其のはじめとして担保要求をするでしょう。差押も覚悟が必用です。
若し、自宅がなった場合は家内と大揉めになるでしょう。
収益マンションの月に24万の収入は、これから特に必要な収入です。
金利だけにする返済猶予は簡単に出来ました。
しかし他の事は焦れば焦る程うまく行きません。
預金を直ちに移せば主力銀行から追及されるでしょうし、担保設定で不動産を守りたい
ですが、信頼できる抵当権者が居りません。
詐害行為も心配です。
肝心のバーも、もう1歩でした。
僅かでも毎月赤字です。
オーナーの為に毎月持ち出しです。
3500万程有った預金は1年後は、バーの取得費も入れて1300万に減って居ました。
絶望の中で2年目を迎えようとして居ます。
その2年目になろうとした時に大きな変化が有りました。
発端は公庫からでした。
公庫が書換えを断ってきたのです。約定に戻すか、担保の売却と云うのです。
払えっこありません。
今ならば担保処分をして若干残そうと、家内に打ち明けました。
すると逆に離婚を要求されたのです。埒も明かない夫に嫌気がさして居たのでしょうか。
資産家の娘だった妻は子供を連れて実家に帰るそうです。
既婚の事は銀行に対していろいろな口実が出来ました。
離婚を承諾し、急いで売ったために、5000万でした。之でも手取りを山分けにして1000万が
握られたのです。
丁度そのころ、マンションも引き合いが有り、3室で2400万、相続物件ですから一人締めです。、
自分は都心の30000円の安アパートに現住所を移したのです。
もう直ぐ年金です。月18万だから預金と合わせて生涯大丈夫だ。
彼も妙なところで一安心でした。
書換えの時、銀行に会社の行き詰まりを報告しました。
不動産などは調べたでしょうが銀行はもう触れもしません。
預金もすんなり卸せました。
ほとんどが保証協会付きで有ったの原因して居たかも知れません。
こうなった時、急に先輩から呼ばれました。
先輩が今の所は儂が1Fと同時に使おうと思って居る。
他にもっと良い所が有ると両方とも居抜きで移転を薦めたのです。
今度の方が一寸繁華街、了承しました。
此処は従業員とオーナー社長との間がうまく行かず、オーナーは投げ出したみたいです。
其処に何も知らない彼が入り込んだのですから従業員にとっては非常にやりやすかったと思います。
赤字だったら自分等も給料を貰いませんとも云って、彼を喜ばしました。
事実、彼は移転後は少しでも必ず配当が有ります。
100%任しても良いでしょう。
其ればかりではなく、先輩が又工事を依頼してきたのです。今、オファーは3口、1口は決定と云うのです。
平均すると1軒700万くらいの仕事ですが十分過ぎる仕事です。
30000円のアパートで彼はこの2年間の動きを振り返って居ます。
「結論として俺はついている男の部類か。」
不動産も失い家族も別離した彼はそれでも満足そうでした。
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非情な宣告です。
此処10年以上は先輩の仕事だけをやって居ます。無ければ飢え死にです。
言葉も出ない彼に、先輩は一言付け加えました。
「やることが無い場合は、お前もワインバーをやれよ。儂の言う通りにやれば
食べる位は軽いよ。お前はワインバーのオーナーになるのだ。」
之が本物になるとは!
平成10年の会話でした。
先輩自身も4軒持っていますが、人にワインバーのやり方を教え、其処から指導料も得て居ます。
彼はこの時の新店の内装工事を請け負って居ました。
最近、仕事が減って来たことは痛感して居ましたが、まさか引導を渡されるとは思って
居ませんでした。
引導渡されて、彼が真っ先に感じた事は、「これからは、お金を持って居なければ。」と云う事です。
今の借入も一寸オーバーです。借りられれば儲け物。
うまく保証協会が通ったせいか銀行は何にも云わずに貸して呉れました。
最後の工事は完成しました。
その他の仕事は何にも見えません。
実際の施行は外注を依頼して居ますから、少ない従業員です。其の2名も解雇しました。
家庭では、鬱の子供が二人居ます。そのために家計に月70万は入れて居ますが、之も削ります。
月に30万から50万は入れないといけないでしょう。預金からです。
親身の相談は先輩以外は居ません。
先輩以外はワインバーには大反対です。
しかし彼はもう之しか無いと思って居ます。
彼は踏み切ったのです。
店舗は先輩のスナックの2階です、
使用人の手配からグラスの数まで先輩は見てくれました。
之で儲かれば云う事有りません。
もう一つ、銀行相手の、資産と負債の件が有ります。
相続で貰った収益物件のマンション3室。無担保が有ります。
渋谷の高級住宅地のマンション。3000万で担保に入って居ますが時価は7000万はするでしょう。
預金は融資も含めて全部で3500万ほど有りますが、返済と経費の出費で見る見る減って居ます。
借入は3行で1億2000万です、
今の内装工事業が駄目になると、銀行は取立てを始めるでしょう。
其のはじめとして担保要求をするでしょう。差押も覚悟が必用です。
若し、自宅がなった場合は家内と大揉めになるでしょう。
収益マンションの月に24万の収入は、これから特に必要な収入です。
金利だけにする返済猶予は簡単に出来ました。
しかし他の事は焦れば焦る程うまく行きません。
預金を直ちに移せば主力銀行から追及されるでしょうし、担保設定で不動産を守りたい
ですが、信頼できる抵当権者が居りません。
詐害行為も心配です。
肝心のバーも、もう1歩でした。
僅かでも毎月赤字です。
オーナーの為に毎月持ち出しです。
3500万程有った預金は1年後は、バーの取得費も入れて1300万に減って居ました。
絶望の中で2年目を迎えようとして居ます。
その2年目になろうとした時に大きな変化が有りました。
発端は公庫からでした。
公庫が書換えを断ってきたのです。約定に戻すか、担保の売却と云うのです。
払えっこありません。
今ならば担保処分をして若干残そうと、家内に打ち明けました。
すると逆に離婚を要求されたのです。埒も明かない夫に嫌気がさして居たのでしょうか。
資産家の娘だった妻は子供を連れて実家に帰るそうです。
既婚の事は銀行に対していろいろな口実が出来ました。
離婚を承諾し、急いで売ったために、5000万でした。之でも手取りを山分けにして1000万が
握られたのです。
丁度そのころ、マンションも引き合いが有り、3室で2400万、相続物件ですから一人締めです。、
自分は都心の30000円の安アパートに現住所を移したのです。
もう直ぐ年金です。月18万だから預金と合わせて生涯大丈夫だ。
彼も妙なところで一安心でした。
書換えの時、銀行に会社の行き詰まりを報告しました。
不動産などは調べたでしょうが銀行はもう触れもしません。
預金もすんなり卸せました。
ほとんどが保証協会付きで有ったの原因して居たかも知れません。
こうなった時、急に先輩から呼ばれました。
先輩が今の所は儂が1Fと同時に使おうと思って居る。
他にもっと良い所が有ると両方とも居抜きで移転を薦めたのです。
今度の方が一寸繁華街、了承しました。
此処は従業員とオーナー社長との間がうまく行かず、オーナーは投げ出したみたいです。
其処に何も知らない彼が入り込んだのですから従業員にとっては非常にやりやすかったと思います。
赤字だったら自分等も給料を貰いませんとも云って、彼を喜ばしました。
事実、彼は移転後は少しでも必ず配当が有ります。
100%任しても良いでしょう。
其ればかりではなく、先輩が又工事を依頼してきたのです。今、オファーは3口、1口は決定と云うのです。
平均すると1軒700万くらいの仕事ですが十分過ぎる仕事です。
30000円のアパートで彼はこの2年間の動きを振り返って居ます。
「結論として俺はついている男の部類か。」
不動産も失い家族も別離した彼はそれでも満足そうでした。
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