かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

跡継ぎの倅

2015-08-05 | 事例
噂が飛び回っていた老舗企業に力強さが戻ってきた。今はもう噂など聞かない。
かって、この地区を引っ張ってきた企業が、再び戻ってきたみたいだ。

海千山千の親父に変わって青二才の倅が戻ってきて4年になる。
厄介者が増えたと思っていたら1年も過ぎたら頭角を現してきた。
先ずは営業の改革。
毎月騒いでいた資金のやりくりの工作が聞こえなくなってきた。

2年前から、親父は倅を実質的の責任者にしている。自分は殆ど仕事に口を挟まなくなった。
すると、何か社員までが変わった見たい。

でも倅は云っている。
この会社、50億の借り入れがあったが、15年かかって10億までに減った。
ここまで立ち直ったのは、この老舗の知名度と信用の賜物と思う。
個人資産は失ったが会社だけは残した。
しかし、まだ10億の借り入れが残っている。
俺は社長になってそれを保証することは、まだ躊躇い(ためらい)がある。
出来れば、新会社を作ってそちらでやりたい。

でも全く封鎖されたこの地方。
そうなった時、銀行はこの会社の貸付残の10億は不良債権になる。
その倅が同地で同じ商売をしても絶対に応援はしないだろう。
すると資金的には見通しが成り立たない。
そんな会社、銀行以外の人は応援するだろうか。

そんな倅に親父がメールを送って居る。
焦らず、今の仕事を頑張ろう。
私は代表者であるが一切をお前に任せて口は出さない。
そして、地域の福祉やお祭りなどの世話をみる。企業を全く地域に根を張った企業にする。
そうやってお前が業績を上げて呉れれば、銀行もかってのような取り立ては出来ない。
そうなるよう、企業を守り抜こう。

短文ではあるが、親父の気持はわかる。

それで頑張ってください。
ただ最近、気になっている事がある。
利益追及のあまり、回収より支払いのサイクルが長い仕事もどんどん受注して、
資金の流れが詰まりそうになっている。経験がまだ浅い。これが少し心配だ。