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 ‐オグチ経営研究所‐

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詐害行為、取り消し権の時効

2015-08-24 | 雑感
民法426条、詐害行為取消権の時効です。
「詐害行為の取消権は、債権者が取消の原因を覚知した時より2年間これを行わざる時は時効により消滅する。または20年経てば時効になる。」
という規定です。

詳しい経緯は知りませんが、不動産の名義を変えて、5年くらいたってから裁判でまけ、競売になった例をかってはよく見ました。

この、「債権者が覚知」とあるのが曲者で、債権者は2年以上前から知っていたではないかという此方の言い分は通りそうにもありません。
不動産の名義変更など、5年前に済ましました。債権者から何も言ってこないのに、裁判で負けるのです。
商売柄債務者の謄本を調べて居るとは思いますが、「いや見ておりません。私は今回知ったのです。」と主張されては反論できません。

 保証協会に代位弁済になった人が、生活が苦しいからと月に1000円払ってもう8年になります。5年ごとの残高確認は1回ありました。
そして、今回また呼び出しがあるのです。自宅の担保余力は相当見込まれます。

自宅はこ大都市から離れているとは言え、町の真ん中に400坪の土地があります。
半分を駐車場として貸して居ますが、保証協会に代位弁済になる寸前、弟の担保を付けました。
もちろん金銭の授受は現金の授受の領収書です。帳簿にも乗って居ません。
自宅も、そのころからお嫁に行った娘も加えて4人の娘に毎年無税内の贈与です。
家は大きくても古いために、3年前には全部贈与が終わりました。

保証協会ともあろうところが、債務者の謄本などは取り寄せて、とっくにこの事実を知って居るに違いない。
詐害行為取消を今頃行って来ても時効になっている。
だから、もう、怖くない。
この人の考えです。

「だって、保証協会が弟さんの担保を入れたり、娘さんに贈与をしたという事を、知っていたという証拠は何もありませんよ。
 私、5年くらい前、身内に贈与したり、担保にした物が、詐害行為取消になった例は知って 居ます 。」
「でも普通は債権者は真っ先に謄本を調べて、知って居るだろう。商売柄、債務者を調べて無 かったという理屈は通らないと思うよ。
 それに、保証協会は私のような老人をいじめてもどうしようもないと思っているさ。」
一寸自分に都合の好い解釈ではないでしょうか。

「一歩譲って仮に担保や贈与が認められたとしても、自宅の土地は自分のもで更です。
 担保や贈与分を引いても、6000万にはなりますよ。
 
 今の債務は元金が2500万、遅延損害金が3500万くらいですから、保証協会はつり合いが
 取れると見て居ます。
 ここで、債務者があまりに払わないと言う姿勢でいると、相手も感情的に出て本当に
 裁判をやってきます。競売になります。」

「そりゃ、あんたの計算だよ。まだ地価は低いし、剰余などでっこないですよ。」
「そう言っても自宅の土地は無担保ですよ。法定地上権で算定しても大変ですよ。」
 
私は、このままで行くと自宅は全部取られる。それだったら今のうちに話し合いに行って、
元金だけに負けて貰う交渉をしましょう。もし遅延損害金を要求されたら多くて100万で頭を下げましょう。
それが結果として一番の安上がりですよ。
と薦めて居たのです。

債でも債務者は自宅なんか、全部で5000万もしないよ。と思い込んでいます。
誰かが云ったのでしょう。
自分に都合の良い言葉は正論になって債務者の主張になっていきます。

「それで呼び出しは?」
「行くまいと思っていたが、行ってみるさ。
 そこでもう払えないから何とかならないかと言ってみるよ。」
「頭を下げて元金だけでお願いするという態度にはなれませんか。」
「考えてみますが、必要も無い気がして居ます。」

一体どうなるでしょうか。