「マサノヴァアート」
電子部品という無機質なものに 命を吹き込む、現代のゼペット
ちょこんと鎮座する小さなロボット。よく見れば、そのボディは接続ジャック、両腕・両足はしゃもじのような電子部品でつくられている。無機質なのに、どこか愛らしい。つくり手の田中潤さんの実家は東大阪で電子機器の組み立てなどをおこなうトーヨー電子製作所。気がつけばネジや端子は、いつもかたわらにあった。おもちゃがわりに遊んでいた部品たちの、プロダクトとしての完成度、その精緻な美しさに気がついた時、マサノヴァアートは生まれた。たとえ工業部品といえども、その形にたどり着くまでには多くの技術と時間がかけられ、部品ひとつにも物語が秘められている。機能美に優れた部品をコアに、それに合うパーツを探し、ハンドメイドで組み立て、カタチづくられていく。部品は無限にあり、その数だけキャラクターは生み出される。代表作であるCN-1はオーディオジャックに、1ミリほどの細かな穴を開け、腕がつけられ、今にも動き出しそうだ。他にもさまざまなデザインがあり、選ぶ楽しさも味わえる。無機質な工業部品に、手づくりの温もりと個性が与えられる瞬間。それはゼペット爺さんが愛を込めてつくりあげた、あのピノキオを思い出させる。
万年筆やボールペンを製作する時に使用するペン軸素材を加工したロボットモチーフのアクセサリー。すべて一点物。
トーヨー電子製作所 大阪府枚方市天之川町2-55
*https://osaka-sei.m-osaka.com/product/168/ より
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