「赤かぶの千枚漬け」
主な伝承地域 津軽地方
主な使用食材 赤かぶ、塩、砂糖(ザラメ)、5倍酢、昆布
歴史・由来・関連行事
津軽地方の伝統的な漬物。雪が降る直前に収穫された赤かぶを、出汁昆布、酢、ザラメで漬けた甘酸っぱい味わいが特徴だ。津軽で古くから栽培される赤かぶは、肉質が柔らかく漬物に最適な品種。皮も果肉も赤く、酢を加えることで赤い色素が美しく発色し、単調になりがちな冬の間の食卓を明るく彩る。雪に包まれる津軽地方では、冬の野菜不足を補うおかずとして欠かせず、秋の終わりに大量につくって春先まで大切に食べられた。
食習の機会や時季
赤かぶの収穫期は晩秋。昔は大きな樽にたくさん漬け込み、日常食として冬の間毎日のように食べた。厳寒期にじっくり漬けこまれた赤かぶは、えぐみや辛みがうま味にかわり角がとれたまろやかな味わいに変化する。普段のご飯のおかずの他、酒のつまみにも最適。近年、産地では雪の下で貯蔵し甘みを増した赤かぶも出回り人気がある。
飲食方法
赤かぶを薄いいちょう切りにし、塩をもみこんで重石をする。出てきた水を切り、ザラメと昆布、酢で本漬けする。酢を加えることで独特の美しい赤色が出る。急いで取り出すと辛みが残り、じっくり漬けこむことでまろやかな味わいが生まれる。ごく薄く切ればしなしなと優しい食感、厚めなら少し歯ごたえが残り、それぞれに良さがある。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
弘前市岩木地区は漬け物づくりが盛んで、かつて「岩木の漬け物」はブランドとして知られた。ふるさとの技を残そうと「岩木の漬け物伝承事業」として講習会やレシピ発信、インターネットで動画配信などの努力をしている。また地元の会社では、若い世代に向けての発信をおこなっており、赤かぶの千枚漬けのレシピも公開している。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/akakabu_no_senmai_zuke_aomori.html より
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