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<伝統野菜> 山形 紫折菜

2021-09-13 06:52:10 | 伝統野菜

 「紫折菜-むらさきおりな」

 【産地】庄内地域>酒田市古湊地区

 【特徴】漬け菜。花茎、葉柄が紫紅色に着色する。日本三大砂丘の庄内砂丘から少し離れた松林の砂地で栽培されている。今では「幻のツケナ」とされている。花のつぼみも一緒に食べることができる。

 【食味】茎立ちに似ているが、花茎、葉が紫紅色になり味もよい。おひたし、汁の実をはじめさまざまな料理にアレンジできる。

 【来歴】昭和初期に中国から導入された紅菜苔(こうさいたい)が原種と考えられている。

 【時期】4月上旬~5月上旬

*https://tradveggie.or.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BC%9D%E7%B5%B1%E9%87%8E%E8%8F%9C%E2%80%9506-%E5%B1%B1%E5%BD%A2/#i-70 より

 

 日本三大砂丘のひとつである庄内砂丘は、生い茂る松原が美しく、渚がどこまでも続きます。鳥海山を望む広大な庄内砂丘から少し離れた松林の中の砂地に、幻のツケナと呼ばれる伝統野菜が育ちます。その野菜は紫折菜。つぼみ菜やアスパラ菜といった、花のつぼみも一緒に食すことができる葉物野菜のなかまです。
 酒田市古湊地区では古くから栽培されてきた紫折菜を当たり前のように受け継ぎ、伝統を守り続けています。紫折菜は種が市販されていますが、よりおいしく、品質の良い野菜を育てたいという丸果古湊出荷組合のみなさんのこだわりで、生産者各自が自家採種をし、おいしくて収量の取れる系統を選抜しています。このほか、組合内で様々な取り決めをし、昔から受け継がれている知恵と経験を絶やさぬように努力しています。
 もともと、紫折菜は昭和10年頃、中国から全国に導入されました。紫折菜は厳しい冬を過ごさなければ、本来の甘さが不足し、おいしい紫折菜とは呼べません。酒田市古湊地区以外では雪害をおこしたり、土の中の水分が凍ることで根腐れをおこしたりとうまく栽培されることができませんでした。しかし、古湊地区では砂地ならではの水はけの良さや、日本海からの偏西風の影響で降雪量が少ない環境であったため、この古湊地区ならではの特産物に成長したのです。
 海が近いといってもつめたい風が肌につき刺さるような2月。紫折菜の収穫は午前中にはじまります。一般的な野菜は収穫後、すぐに出荷されますが、紫折菜の生産者の方々の出荷方法にはこだわりがあります。午後になると収穫した紫折菜を束にして、冷たい水を張ったたらいにつけます。こうすることで切られた紫折菜が水を吸い上げ、すぐに袋詰めされるよりも長い時間、新鮮な状態を保つことができるようになるのです。たっぷり水を吸った紫折菜は翌日3時から箱詰めされ、5時に野菜市場に出荷されます。こうしたひと手間の中にも生産者の方々の紫折菜に対する愛情が感じられます。
 こうして愛情をたっぷりとかけられた紫折菜は、冬の厳しい寒さに耐え抜いた野菜だけが蓄えられる、引き締まった甘みがぎゅっと詰まっています。クセがなく、どんな料理にも合うので、そのままおひたしにする他にも炒め物や煮物、揚げ物など、さまざまな料理にアレンジすることができます。

*https://syokunomiyakoshounai.com/ingredient/ingre-02/007.html より


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