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<経産大臣指定伝統的工芸品> 滋賀 彦根仏壇

2021-06-04 06:30:47 | 経済産業大臣指定伝統的工芸品

 「彦根仏壇」

 Description / 特徴・産地

 彦根仏壇とは?
 彦根仏壇(ひこねぶつだん)は、滋賀県彦根市で作られている仏壇です。高級な素材を惜しげもなく使用した、4尺以上の大型仏壇が多く、高級仏壇の代名詞ともなっています。
彦根仏壇の特徴は、蒔絵(まきえ)や金箔をふんだんに取り入れた豪華絢爛さです。仏壇の前面には、木地の木目を生かした木目出し塗りが施されています。
 工部七職(こうぶななしょく)と呼ばれる、7種類の分野の専門技術を身につけた、それぞれ専門の職人(木地師、宮殿師、彫刻師、箔押師、蒔絵師、塗師、錺金具師)が、細かい手仕事の連携によって、一つの仏壇を作り上げていきます。製造期間はおよそ2か月から物によっては約2年です。
 1975年(昭和50年)には、その高い品質と高度な技術が認められ、仏壇仏具の業界では初めて、国の伝統工芸品に指定されました。近年では、仏間のない家庭にもマッチするような、小型のユニット式仏間を作るなど、新たな試みにも取り組んでいます。

 History / 歴史
 彦根仏壇は、350年以上の長い歴史を誇り、その起源は江戸時代の中期頃と言われています。その当時、戦乱の備えとして武具や武器の製造を行っていた職人たちが、江戸の安定が広がる世情の変化に伴い、その技術を活かして仏壇を作り始めたのがきっかけです。
 彦根城下と中山道をつなぐ彦根道の、「七曲(ななまがり)」と呼ばれる曲り道が続く地区に職人が多く集まり、仏壇製造の中心地となりました。現在でも、仏壇街として、仏壇の製造、販売に携わる老舗が軒を連ねています。
 塗師、指扨師、錺金具師(かざりかなぐし)などが、専門的な技術を持ち寄った分業制で仏壇作りが始まりましたが、「工部七職」といわれる現在の分業システムは、その頃の流れを引き継ぐものとなっています。
 彦根藩が仏壇の製造を保護したことや、庶民の家庭でも仏壇設置の文化が普及したことから、彦根仏壇は地場産業として活況を呈し、現在まで長く受け継がれています。

*https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/hikonebutsudan/ より

 

 淡海の手仕事彦根仏壇
 七つの専門職による日本伝統工芸の集大成彦根仏壇。ひとつの仏壇が出来上がるまで、何と一年もの月日がかかると言う。
 さまざまな工程と職人を必要とする仏壇造り。今回は蒔絵師の舟越幸雄さんに話を伺った。

 
 仏壇に彩りを添える
 引き出しや観音開きの部分に花鳥や家紋の蒔絵。漆で下絵を書きその上に金粉や銀粉、貝などを蒔いていき、最後に磨き仕上げる。神経を集中させながら、線の一本一本を気を抜く事なく描きあげる舟越さんは、この作業を「時代の逆をいく仕事」だと語る。機械化とスピードアップを進める時代の中で、百年以上も変わらぬ方法の丹念な職人の手仕事があるからこそ、魂の温もりを感じる仏壇に今も出会う事ができるのだ。


 命ある漆
 粘りがあり、湿度差によって変化しやすい漆は、まるで生き物のように、職人の手を煩わせる。15才で弟子入りした舟越さんにとって、この厄介な漆は蒔絵の世界から遠ざけるがごとく挫折をも感じさせてしまっていたという。しかし、伝統産業に身を置き、本物に触れていくに従って、蒔絵の美しさや奥ゆかしさそれに気品といった魅力に気付きだした頃には、「本物を自分自身の手で創りたい」とのめり込んでいった。もしも、漆が単純なものであったとしたなら、多くの職人は育なかったのかも知れない。思い通りにならないからこそ、人は努力するのだから。そう考えると、まさしく漆は生きているのだろう。

 美しさの追求
 ほとんどの仕事がそうであるように、蒔絵も数をこなさなければ本物の仕事が出来ない。匠の技に感性が加わり、人々の心を和すのだ。「修行時代には、数々の失敗をやりましたよ。木地が出で来るまで研きずぎたり」と笑顔で語る舟越さん。それが今の大きな土台になっている。なぜなら、仕上げの磨き上げでの金箔や金粉の一番良い表情、一番美しい瞬間を知っているのだから。


 手の温もりを伝えたい
 すべてが職人の手作業にゆだねられている為、一日に進む作業も限られている。だからこそ、一つひとつに思いを込めていく事ができるのだ。「永久的に残るものだから、線一本でもおろそかに出来ませんよ」真剣な職人の気持ちが、線の一本にまで込められていく。そして、伝統工芸品に芸術的価値が生まれていくのだ。


 蒔絵を広く知ってもらう
 仏壇だけに留まらず、花器や盆などに蒔絵をあしらったものなど、数々の作品を息子さんと共に制作している。「家族の蒔絵展」など作品展をする傍ら、新しい作品にも取り組んでいる。バッグの中に入れて持ち運べるような小物入れ等、アイディアはいっぱいの作品が生まれる事が楽しみだ。蒔絵をあしらった小物で、粋なお洒落を友人に自慢できるのだから。

 職人プロフィール

 舟越幸雄 (ふなこしさちお)

 昭和15年11月23日生まれ。
 蒔絵一筋45年の大ベテラン。
 昭和55年2月に彦根仏壇蒔絵部門伝統工芸士に認定される。

*https://kougeihin.jp/craft/0810/ より


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