てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

取返しのつかない失言

2006-02-22 21:13:16 | ビジネスと社会
 午後8時からの「老いを楽しむ~達人たちのメッセージ」(NHK教育テレビ)を、事前の番組案内で楽しみにしていたので期待して観始めた。
 91歳でなおかくしゃくたる銀座の珈琲店のマスターを紹介していた。マスターの年輪を重ねた人生訓、生き様に感心していた時のこと。

 取材者がマスターに向かって、
 「大変失礼かも知れませんが、率直に言って先も無限にある訳じゃありませんですわねえ」と質問を発した。
 これを受けてマスターは次のようににこやかに返されたので、流石は大人(たいじん)の年の功に重ねて感じ入った。
 「いやー、無限にあると思っています!」
 「あっ、無限にあると思っています?」
 「ハイ、無限にあると思っています!」
 「あせったりはしませんですか?」
 「あせらないですネ。そう意識的にねえ、まあ時々いろんな歳が出てきて。でも自分じゃないと思っていますから。いつの間にか歳の方が、ただ90になっちゃっただけで。まあ永久に生きていると思っていますよ!」
 「そりゃー、きっとやりたいことが一杯あるからですかねえ」

 この取材者の不躾で無神経な一言にたまらぬ不快感を覚えた。そしていっぺんに興醒めしてスイッチを切った。決して言ってはならない一言だと思う。何を聞き出したかったのか、質問の真意を問う。

 番組の冒頭で“団塊世代”を自認する分別盛りの司会者にしてこれだ。この様な人間性の大きく欠如した職員がいる限り、まだNHKが新生したとは言えない。誠に憂いべきことだ。
コメント
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