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小生が風呂に入っている時のこと、相変わらず多忙を極めている仕事の合間を縫って、T澤さんが『スガレ追ひ』(井伏鱒二)を届けてくださった。帯付のハードケースに入った初版本である。
T澤「お約束していた本です」
家内「貴重なものをお借りします」
T澤「私は二度と読むことはないと思います。それよりも思い入れのある方に読んで貰った方が…」
小欄「2008/7/22 岡山県立図書館」 の記事がT澤さんの目に留まり、自分の本棚にあったことを思い出したそうだ。この本の奥付からすれば彼が学生時代に濫読した中の1冊。
数年後、T澤さんは今の会社に入社。配属された職場の取引先が『スガレ追ひ』の中に登場する<新聞取次所の岡崎さん>なのだが、彼は知る由もなかった。
今夜、わざわざ本を届けてくださったお礼の電話をT澤さんに入れると、「ご縁のある方に読んで頂いた方が意義があるので…」とのことだが、事の次第が分かった以上彼にとっても無縁ではないはず。それを上述のようにさりげなく言う気遣いに心を打たれた。
余談ながら、4年半前(小生のリタイア後)にT澤さんが病に倒れたことを知ったのは彼のブログからであり、直ぐ見舞いに参上した。その後もお互いのブログを通じて貴重な有益情報を交換するなど、きちんとリレーションがある。まさにブログの“取持つ縁”とはこのことである。
思い起こせば、小生と一回り違いの彼は入社早々に余技のパソコンを活かし、職場の電算化の火付け役となった。社内的にも、わが職場が他職場に伍することなく電算化を進められたのは偏に彼の功績によるものである。
マック(Macintosh)の世界へ誘ってくれたのも彼で、小生のパソコンの師であり多くを教わった。それこそ仕事がハネてから課外でも何十時間にも及ぶ個人指導もして頂いた。パソコンのことでSOSを出せば、ある時は駆けつけ、またある時は電話でリモート指導して立所に解決してくださった。
T澤さん、今日まで色々とお世話になりました。どうかこれからも宜しくお願いします。