2021年7月31日、猛暑日の中、又、コロナ禍の中で三密を避けながら富田林の美しい自然環境を保全する活動を奥の谷の人工林で間伐体験が、とんだばやし観光会主催で実施された。その様子の一部を紹介いたします。
富田林の自然を守る会会長の挨拶と里山保全活動の説明が有った。
暑い中、間伐実体験する人工林に移動している。
間伐する木の選別方法、倒す方向、注意事項等の説明が有った。
倒す方向に切込口を開ける(受口と言う)、切口の少し上の真後ろから切り込む(追口と言う)
倒す方向にロープをかけて木を倒す。
中央斜めの木が倒れる瞬間。(葉っぱ等が揺れて光が屈折しております。)
二本目は間伐体験者達で間伐いたしました。
間伐材の幹は2メートルに玉切りして、木を皮むきし立てかけて乾燥します。
猛暑日の中、里山の拠点奥の谷(みかん小屋)に無事に帰還いたしました。
- 長文最後まで見ていただきありがとうございました。
なお、個人の写真公開は了解を得ております。
kusu 2021年7月31日
リレーします。kusuさんは富田林観光ボランティア「とんだばやし観光会」の体験講座の様子を取材していただきましたので、アブラコウモリHは伐採の仕方についてお話します。
自然環境保全体験講座として、「富田林の自然を守る会」のご協力を得て開催しました。「守る会」はすでに30年近く活動されていて、ここ奥の谷の里山も25年ほど保全活動をされています。
まず、間伐をする木を選定しているところ。
倒す木が決まったら、どの方向に倒すかを決めて、「受け口」をつくります。
のこぎりで切り取った後、ナタで微調整しているところ。
私ら生徒のため、倒す方向にチョークでラインを引いていただきました。この木は桧。
T定規みたいな道具で、倒す方向を再確認しています。
長い棒の方向に倒れます。
「受け口」の反対方向から「追い口」を切る前に、倒す方向にロープを張ります。ロープを張った方向に人力で引っ張る準備。途中滑車を使って曳く方向を90度曲げて、倒れる方向に人がいないようにします。
他に「追い口」にくさびを打ち込む方法もあります。
「追い口」を切り始めているところ。万が一に備えて、倒れる方向や木の周辺に他の人が待機するのは危ないので禁止。
「追い口」を切る人の合図により、ロープを引っ張ります。少し木が傾いてきました。
安全のため全部木を切断しないで、「つる」と呼ばれる「受け口」と平行に一定の幅を残します。「つる」が支点となって、徐々に安全に受け口の方向に傾いていきます。
切り口の真ん中が切り残した「つる」の部分。
一気に木を切るイメージがありますが、実際はそうではありません。
安全性と倒した後の作業がしやすいよう、木の様子を見ながら徐々に倒していきます。
このように山側に倒すと後の作業がしやすいです。まず枝打ちをしているところ。
その後「玉切り」をして下に運び、1か所に集めます。そこで皮むきをして、立てかけて乾燥をさせます。
2m間隔に印をした竹竿で目盛りを入れチェンソーで「玉切り」しているところ。
板として加工する場合は2mの長さに玉切りし、柱として利用する場合は3mに切り揃えるそうです。
谷筋の1か所に集めます。一番左の丸太は「受け口」と「つる」の部分がよく分かります。
皮むきをしているところ。
皮むきは幹と表皮の間の形成層に多く水分を含んでいる夏場が最適で、水分の吸い上げが悪い冬場は皮がむきにくいそうです。
うまくやれば、するするとむけて気持ちがいいです。
こんなにきれいに向けました。まるで北山杉の床柱みたいです。
こうやって風通しいい所に立てかけて乾燥させます。
木の70%は水分なので、最低でも1年は乾燥させるそうです。
本来は何年も乾燥させた方がいいそうですが、そうも言ってられないのでこちらでは1年位乾燥させた後、製材所に持って行って板材に加工してもらうそうです。
皮をむいた表皮(形成層)の部分。維管束があり、根から水分を吸い上げ、光合成でできた養分を木全体に送ります。白い部分は生きている細胞で、幹の心材と渋皮の外皮はその亡骸(死んだ細胞)です。
皮むきをして乾燥させるのは2つの理由があるそうです。
ひとつは皮付きだと乾燥が遅い。
もう一つは、皮の内側の形成層に養分があるので、そこに虫がついたり、カビが生えたりするため。
切り口の年輪は25年。年輪を見ると、植林されて10年位は日当たりがよかったのか年輪は粗いですが、10年目くらいから密になっています。
周りの木も幹の太さから同時に植林されたと考えられますので、10年目くらいから枝が張りだし、日当たりが悪くなったことが分かります。
木の周りの環境が年輪を見ることによって分かりますね。
この谷筋に桧と杉を混ぜて25年位前に植林されたそうです。
杉の方が成長が早いため、幹が太いのがわかります。(その代わり木がやわらかい。)
杉は乾燥を嫌うため谷筋に植えます。両側の崖面や尾根筋ではよく育たないそうです。逆に桧は乾燥にもつよく、場所を選ばずよく育つそうです。
枝打ちはかなり高いところまでされて、管理がされていたことが分かります。尾根筋では充分間伐がされていないようで、細い木がかなりの密度で生えています。
間伐をすることによって、成長の悪い木を間引く共に、日当たりをよくすることによって、残す木の成長を促すそうです。
生徒としての感想
1本の木を伐採するにしても、多くの労力が必要であるのがよく分かりました。特に崖面での作業は危険が伴い、重労働だと思います。
木を倒す方向と安全には特に神経を使われていました。
板1枚、柱1本にも多くの方々の危険な場所での重労働のおかげで作られているので、かまぼこ板1枚においても感謝しなければいけないことを改めて感じました。
近くの広葉樹にいたタマムシ。
これは珍しい、栃の実。
天狗の団扇のような栃の葉。朴葉と似ていますが、栃の葉は縁がギザギザ。
ちなみに天狗の団扇は栃の葉ではなくて、ヤツデです。
撮影日:2021年7月31日
2021年8月2日 ( HN:アブラコウモリH )
木を1本切ることが大変なことがよく分かりました。
自然環境を保全すること、里山を維持することが大切で大変なこともよく分かりました。
今回「富田林の自然を守る会」と関係のボランティアみなさんに感謝!
現場で学びました。里山とは、~自然とのふれあい、生物の関わり合いから、里山の現状と自然の保全活動について、自然を守ることの大切さを、経験しました。
養成講座の第3回のイベントとして、貴重な体験ができて、とても楽しかったです。