〈リバイバル・アーカイブス〉2024.9.30~10.14
原本:2022年9月6日
「じないまち富田林」は江戸前期から現代までのいろんな建造物が時代を越えて今も人々の暮らしを支えています。きょうは「大正ロマン」、大正期から昭和の初めにスポットを当ててみます。
2022.8.27 14:59 富田林市富田林町(亀ケ坂筋堺町)中内眼科医院
国登録有形文化財 大正13年(1924)の洋館 国分銀行の本社屋として建設され、昭和17年(1942)三和銀行を経て、昭和50年(1975)中内眼科医院となり、現在に至っています。
鉄筋コンクリート造3階建、富田林市で最初の鉄筋コンクリート建造物と言われています。「じないまち」の中央を通る「堺筋」にあり、アーチ窓に時代の流れを感じます。
「紋屋」澤武・船内家住宅 亀ケ坂筋堺町 中内眼科医院のお隣り 大正末期の洋館
元は呉服店 屋号が「紋屋」なので最初は染物(紺屋)関係のお仕事であったかもしれません。表は洋館ですが屋根は切妻瓦葺きで、看板建築になっています。
丁寧に仕上げられた「紋屋」の「紋」
もうできて百年近くになりますが、全く古さを感じません。モルタルで丁寧にやわらかい線を描きだしています。
最近リニューアルしてさらに浪漫になった「旧西野薬局」 亀ケ坂筋南会所町 角からはいる入口が印象的。建設の時期はわかりません。
和田家住宅 市場筋御坊町
主屋は厨子二階の伝統的建築ですが離れ部屋は洋館のような外観です。屋根は瓦葺きで切妻屋根になっています。建設された時期は解りません。
旧愛国軒写真館 富田林市本町 明治45年(1912)建設。
日露戦争(明治37~38)後にはやった砲弾型棟飾り。入口両側の御影石ガラスショーケースが印象的。ここに晴れの写真が飾ってありました。小学校の入学記念や何かの記念によく母親に連れられて写真を撮りに行きました。
杉田家住宅 富田林市本町 国登録有形文化財
昭和4年(1929)建築の洋館です。アールデコ風の玄関ポーチが際立つ和洋の意匠を巧みに融合した特徴ある住宅です。
趣のある玄関ポーチ。アーチのエントランスが印象的。こんな素敵なお家が私達の周りにあるのがうれしいです。
音楽記号を基調としたアールデコ。
南葛原家洋館(別邸) 国登録有形文化財 富田林市常盤町
大正13年(1924)建築のコテージスタイルの洋館 お部屋にステンドグラス、お庭には噴水やパーゴラがあり別荘風です。
横から見るとまた感じが違います。
渋谷家住宅 城之門筋一里山町 とんだばやし寺内町に2軒ある銅板葺きの本二階住宅です。建築は大正期だそうです。
市場筋北会所町 もう一軒の銅板葺きのお宅。落ち着いた本二階の外観で、銅板葺きがはやった大正、昭和前半頃の建築と思われます。銅板は建物の類焼を防ぐとともに、緑青を吹いて色目がきれいです。建設の時期はわかりません。
平井家住宅 亀ケ坂筋東林町 昭和5年(1930)の黒漆喰本二階の建造物。
この時代は黒漆喰がはやりました。堂々とした建物はここで産婦人科開業医をされていたからだそうです。
市場筋富山町 今はお住まいになられていないので、少し傷んできましたが、錣(しころ)屋根の堂々とした入母屋本二階の住宅です。後ろには肘掛け窓もあり豪華に見えます。建設の時期はわかりません。
川西小教育歴史資料館 国登録有形文化財 昭和10年(1935) 元はL字型の校舎
昭和9年(1934)に室戸台風で倒れた校舎の跡に、翌年建設された建物。現在はⅠ型に縮小され、一部教室と職員室が残ります。二宮金次郎が見えますか?
【追加記事】富田林市川西小学校教育歴史資料室見学 2022.7.25
青葉丘幼稚園 富田林市加太二丁目
よく似た建物がこれ。同じ時期の建物でしょうか? レトロな園舎とビオトープ、大きな楠のある幼稚園。大楠公さんも明るく元気な園児を見ておられます。
「感謝・絆・希望」の横断幕ー青葉丘幼稚園 2021.2.25
この記事は 大阪芸術大学名誉教授 山形政昭氏の講演「富田林 近代町家建築をたどる」2022.7.9 じないまち交流館を参考にさせていただきました。
写真撮影:2022年8月27日ほか
2022年9月6日 アブラコウモリH
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