錦織の聖音寺には3つの種類の民衆信仰の灯籠があります。
「太神宮」灯籠、「金毘羅大権現」灯籠、「秋葉大権現」灯籠です。
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富田林で最も古い民衆信仰の灯籠のひとつです。明和元年(1764)。
元は錦織の東高野街道と(新)吉野道の交差点あたりにあったようです。
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「金毘羅大権現」の灯籠は香川県の琴平町にある「金刀比羅宮」にちなむ灯籠です。水上交通の守り神で、この地とは一見縁もゆかりもないように思われます。
江戸後期、次第に街道や旅籠、海上交通が発達し、「お伊勢さん」をはじめ、有名な神社・仏閣のお参りが盛んになるにつれ、「お伊勢さん」「金毘羅さん」「愛宕山」「高野山」などにちなむ民衆信仰の灯籠が富田林市域にも造られました。
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「秋葉大権現」は静岡県の火伏神「秋葉神社」にちなむ民衆信仰の灯籠です。
関西では京都市の「愛宕神社」が火伏神として有名ですが、それを飛び越えての「秋葉大権現」の灯籠です。
大阪府でも時に秋葉山の灯籠を見かけますが、富田林では唯一の灯籠です。
東京都の「秋葉原」はこれにちなんだ地名です。
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聖音寺は「富田林の民話」にもあるように、大楠公さんをお守りした「矢疵(やし)観音」でも有名です。
聖音寺(錦織南地区)の石灯籠 2016.10.13
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富田林市域の大字図 旧村の場所はこちらを参照してください。
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幕末頃の富田林市域の領主と石高はこちらをごらんください。
富田林市には民衆信仰の石灯籠が34基あります。そのうち「太神宮灯籠(伊勢灯籠)」が25基(74%)と非常に多く、次に「金毘羅灯籠」が5基(15%)と続きます。そのほか、愛宕山灯籠や大峯山上常夜燈、秋葉大権現灯籠、弘法大師夜燈が各1基あります。
*この記事は「とんだばやし灯籠めぐり」(2018.3.7 「富田林百景+」の仲間たち)より引用したものです。
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