フリースクール…
フロリダで、私立学校を経営している人がいます。アメリカ国籍は取得しているが人種は、ブラジル人。奥さんが校長。旦那は、コンサルティング会社経営。息子が天才なのに、公立学校ではレベルが低すぎる。天才を教育する学校はないか?探したが、アメリカでもそんな学校はなかった。それなら断念…ではないところが、天才の母。私が天才を教育する学校を作る。というわけで、作ってしまった。フロリダ州の認可も取得。その名は、そのまんまで、「ギフテッド スクール(天から才能をプレゼントされた子どもの学校」
この御夫婦、息子のアンソニーをつれて日本の田舎の我が家まで来てくれました。校長先生や、大会社社長には申し訳なかったですが、6畳間に3人、川の字で寝ていただきました。これ・・・お金持ちだから、高級ホテルに泊まるのではないってことにむしろ新鮮な驚きを感じました。経費節約が理由でもないでしょう。天才の子に、日本の家庭に泊まる経験をさせるってことでしょう。
アメリカには、まあまあ、色々な学校があります。
ホームスクール、チャーター・スクール、フリースクール、インデペンデント・スクール、オルタナティブ・スクール、マグネット・スクール・・・インデペンデント・スクールに含まれるのが、モンテッソーリ・スクール、ヴァルドルフ・スクール(シュタイナー学校と言った方が通りがいいですね)、フレンズ・スクール、デモクラティック・スクール、サマーヒル・スクール、サドベリー・バレー・スクール、クリシュナムルティ・スクール、オープン・クラスルーム指導法の学校
・・・色々ありすぎて、何が何だか分からない状態です。
日本で、「フリースクール」という名が出たとき、当然アメリカのフリースクールのマネだと思いました。アメリカのフリースクールは、基本的に、「低所得者のための授業料無償の学校」です。ここでそりゃおかしいと疑問を持っていただきたい。
「アメリカって(義務教育は)授業料無償じゃないのか?」と。アメリカの義務教育は、日本と違って無償です。日本と違っての意味は、ノートも鉛筆も、三角定規も、クレヨンも・・・。学校へ払う経費はありません。ランチを買う場合、それだけは個人もちです。フリースクールは、ランチも無償。特例とか例外がいっぱいあるので、「アメリカはこうだ」ということは全くできないですが…普通の公立学校でも、低所得者の子女には、朝食やランチを無償で提供するところもあります。朝食もですよ。
アメリカのフリースクールは、ネーミングは、その名の通り「無償=フリー」からきています。付随して…教育内容と制度(オルタナティヴ)が自由。…という学校です。ルソーが言うところの、「教育者は子どもの発現・開花の援助者である」を具体化した学校ですね。ここまでで止めとけばいいのですが、書いてしまいます。
フリースクール運動の起こりは、ルソーであり、フーコーであり、フロイトなのです。「規律・訓練批判」「記憶を強制する学校への批判」です。私は、ルソーもフロイトも尊敬していますが、この部分では意見が違います。「規律・訓練大賛成」「記憶を強制する学校大賛成」です。(フーコーについては勉強不足。風向?)
さて、日本のフリースクール。不登校の子どもが、安心してすごせる場所として設けられました。規模や活動内容はきわめて多様。在籍数は、数人から、100人を超えるところまであります。フリースクールと称している学習塾もあるので、くくり(括り)ようがない状態…。フリースクールという溶岩は、まだ固まりそうもありません。
紛らわしい名前つけたなあと思います。アメリカにも、イギリスにもフリースクールがあり、意味が違うんだから。命名者は、「自由だ、自由だ、自由な学校だから、フリースクールだ」ってことだったのでしょう。だったら、「自由学校」でよかったのに。もっとも、「世に中に自由などない」ってことは分かっているんでしょうねえ。
スクールと名はついても、学校教育法第1条に定める学校の要件に該当しませんから、正規の学校の認可は受けられません。(構造改革特区の制度を利用して、私立学校の認可を受けたフリースクールがありますが、全国で数校です)出欠の扱いは、フリースクール等の民間施設に通った期間を、学習指導要録上出席扱いすることができるようになっています。在籍する学校の校長の裁量ですが。
気になっていたのは、崇高な理念でフリースクールを開校するのでしょうが、理念では経営できないということです。経営主体は、個人または零細な非営利団体がほとんど(一部にNPO法人)。例外を除き、公的な支援を受けることができません。
崇高な理念、「子どもの笑顔のために」開設しても、たちまちにして財政難の大波。保護者の金銭的負担は、「学校」よりはるかに重くなる。
指導に関わる人は、いわば素人のボランティアに占められる(専門の知識を持った人を集められない)。従って、子どものニーズに対応できない。財政難とスタッフ不足から、閉鎖に追いやられるケースもあとを絶たないのです。
そして、この度の丹波ナチュラルスクール事件が起こった。
丹波ナチュラルスクールの入学案内には、「家庭内暴力、校内暴力、ひきこもりなどを起こしている青少年を、自然に触れ合う環境で住まわせることによって、更正することを目的としている」とある。つまり、義務教育の不登校の子どもの受け皿ではないということですね。入学金は300万円、授業料は月額10~20万円。月謝に幅がある?そのあたりもフリースクールなんですねえ。
経営者ほかが、傷害容疑で逮捕されました。報道を拾い集めると…
○ 日常的な監禁や暴行
○ 期限切れの弁当を食べさせる
○ 木刀や手錠を常備
○ 体調不良でも病院に行かせない
○ 冬に、裸にして木に縛り、水をかける
○ 朝食は、通常与えない
○ 昼食と夕食は、コンビニ弁当または、カップラーメン
○ 脅し文句は、「戸塚ヨットスクールのようになる」
ルソーも、フロイトも、フーコーも、ヘッタクレも何もあったもんじゃない。いくらフリースクールとはいえ、刑務所よりひどい。刑務所に入ったことあるのかって?…な、ないですけど…。
丹波ナチュラルスクールを脱走して、連れ戻す場合、連れ戻し料として、20~30万円とられるそうです(連れ戻し係の人数による)。連れ戻される時、子どもは、「殺されるー!」と絶叫するそうです。脱走者が増えると、儲けも増える。虐待して、逃げる気を起こさせることも、先生の手腕ってことでしょうか。
この、丹波ナチュラルスクールは、「流行の半天を着た、金儲け」です。「悪徳商法」です。杞憂に終わればいいのですが、ここまでひどくなくても、似たような、「名ばかりフリースクール」の存在…否定できません。チェック機能をどう働かせるか、早急な対応を求めたいです。
「何とかしなければ」と、真剣に頑張っているフリースクール…最大の問題は、「子どもの状況」ではなく、「お金」です。資金繰りがつかず、やむなくけ閉所。閉所しなくても、創立者の理想には程遠い内容になってしまいます。資金がなければ、「不登校の子どもが、安心してすごせる場所のジャンルのフリースクール」の運営(あえて経営とは言いませんが)は無理です。
子どもたちの手で、「大学(シューレ大学)」まで作ったフリースクールがあります。凄いなあと思います。そうなったら、もう不登校でも引きこもりでもないです…よね?
いちゃもんではありませんが、「キャット ストリート」という漫画を御存知でしょうか?フリースクールが舞台ですが、校長以外の職員は出てきませんし、経営状態がどうなっているか全く触れられません。ストーリーは、不登校の子が夢と希望に満ちて、明るく強く生きていく…。
世の中の不登校の子たちが、キャット ストリートを見て、「フリースクールへのあこがれ」をもたれても困るのです。現実とのギャップが大きすぎます。傷口をこじ開けて粗塩を塗るようなものです。
ではどうすればいいか?
「不登校、引きこもりをなくせばよい」
どうすればなくなる?
対症療法としての、「アレル源の除去」です。「くしゃみ3回、ルル3錠」という、名コピーがありますが、「兆候の早期発見、早期治療」これが最も有効です。
言葉で言うのは簡単。誰が早期発見するの?周囲の大人のメガネが曇っていれば早期発見などできるわけがない。一期一会、メガネが曇っていない大人との邂逅、これに賭けるのでは情けなすぎますか・・・。
偏食の子が、給食を食べ残したら遊びに行けないので、不登校になった。「嫌いなものは食べなくてもいいよ」と指導するか、「少しでも食べてみよう」と指導するか。一生懸命な先生ほど、偏食をなくそうとするでしょう。不登校の原因は、大まかに、「家庭」「学校」「本人」にあります。偏食…親ですよ。でも親は不登校ではなかった。当然です、親の世代は、「学校へ行かないという選択肢はなかった」から、嫌いなものが給食に出る日も登校しました。
現在、不登校、引きこもりで病んでいる子については、手をつくしながら見守ってやるしかありません。
これからの子についてですが…
「自由なんてないんだよ。親の言うこと、先生の言うことには服従しなければならないんだよ」ということをしっかり教える。
どうしてこのような世の中になったのでしょう。犯人は、はっきりしています。 『自由だよ、平等だよ、権利だよ、夢は叶うよ、嫌なことはしなくていいよ、競争なんて論外、強制はだめ、子どもが主人公・・・』素晴らしい言葉の数々。その陰で、何千、何万の子どもが泣いたか!親が泣いたか!一生懸命な先生はじめ周囲の大人が心を痛めたか!
フロリダで、私立学校を経営している人がいます。アメリカ国籍は取得しているが人種は、ブラジル人。奥さんが校長。旦那は、コンサルティング会社経営。息子が天才なのに、公立学校ではレベルが低すぎる。天才を教育する学校はないか?探したが、アメリカでもそんな学校はなかった。それなら断念…ではないところが、天才の母。私が天才を教育する学校を作る。というわけで、作ってしまった。フロリダ州の認可も取得。その名は、そのまんまで、「ギフテッド スクール(天から才能をプレゼントされた子どもの学校」
この御夫婦、息子のアンソニーをつれて日本の田舎の我が家まで来てくれました。校長先生や、大会社社長には申し訳なかったですが、6畳間に3人、川の字で寝ていただきました。これ・・・お金持ちだから、高級ホテルに泊まるのではないってことにむしろ新鮮な驚きを感じました。経費節約が理由でもないでしょう。天才の子に、日本の家庭に泊まる経験をさせるってことでしょう。
アメリカには、まあまあ、色々な学校があります。
ホームスクール、チャーター・スクール、フリースクール、インデペンデント・スクール、オルタナティブ・スクール、マグネット・スクール・・・インデペンデント・スクールに含まれるのが、モンテッソーリ・スクール、ヴァルドルフ・スクール(シュタイナー学校と言った方が通りがいいですね)、フレンズ・スクール、デモクラティック・スクール、サマーヒル・スクール、サドベリー・バレー・スクール、クリシュナムルティ・スクール、オープン・クラスルーム指導法の学校
・・・色々ありすぎて、何が何だか分からない状態です。
日本で、「フリースクール」という名が出たとき、当然アメリカのフリースクールのマネだと思いました。アメリカのフリースクールは、基本的に、「低所得者のための授業料無償の学校」です。ここでそりゃおかしいと疑問を持っていただきたい。
「アメリカって(義務教育は)授業料無償じゃないのか?」と。アメリカの義務教育は、日本と違って無償です。日本と違っての意味は、ノートも鉛筆も、三角定規も、クレヨンも・・・。学校へ払う経費はありません。ランチを買う場合、それだけは個人もちです。フリースクールは、ランチも無償。特例とか例外がいっぱいあるので、「アメリカはこうだ」ということは全くできないですが…普通の公立学校でも、低所得者の子女には、朝食やランチを無償で提供するところもあります。朝食もですよ。
アメリカのフリースクールは、ネーミングは、その名の通り「無償=フリー」からきています。付随して…教育内容と制度(オルタナティヴ)が自由。…という学校です。ルソーが言うところの、「教育者は子どもの発現・開花の援助者である」を具体化した学校ですね。ここまでで止めとけばいいのですが、書いてしまいます。
フリースクール運動の起こりは、ルソーであり、フーコーであり、フロイトなのです。「規律・訓練批判」「記憶を強制する学校への批判」です。私は、ルソーもフロイトも尊敬していますが、この部分では意見が違います。「規律・訓練大賛成」「記憶を強制する学校大賛成」です。(フーコーについては勉強不足。風向?)
さて、日本のフリースクール。不登校の子どもが、安心してすごせる場所として設けられました。規模や活動内容はきわめて多様。在籍数は、数人から、100人を超えるところまであります。フリースクールと称している学習塾もあるので、くくり(括り)ようがない状態…。フリースクールという溶岩は、まだ固まりそうもありません。
紛らわしい名前つけたなあと思います。アメリカにも、イギリスにもフリースクールがあり、意味が違うんだから。命名者は、「自由だ、自由だ、自由な学校だから、フリースクールだ」ってことだったのでしょう。だったら、「自由学校」でよかったのに。もっとも、「世に中に自由などない」ってことは分かっているんでしょうねえ。
スクールと名はついても、学校教育法第1条に定める学校の要件に該当しませんから、正規の学校の認可は受けられません。(構造改革特区の制度を利用して、私立学校の認可を受けたフリースクールがありますが、全国で数校です)出欠の扱いは、フリースクール等の民間施設に通った期間を、学習指導要録上出席扱いすることができるようになっています。在籍する学校の校長の裁量ですが。
気になっていたのは、崇高な理念でフリースクールを開校するのでしょうが、理念では経営できないということです。経営主体は、個人または零細な非営利団体がほとんど(一部にNPO法人)。例外を除き、公的な支援を受けることができません。
崇高な理念、「子どもの笑顔のために」開設しても、たちまちにして財政難の大波。保護者の金銭的負担は、「学校」よりはるかに重くなる。
指導に関わる人は、いわば素人のボランティアに占められる(専門の知識を持った人を集められない)。従って、子どものニーズに対応できない。財政難とスタッフ不足から、閉鎖に追いやられるケースもあとを絶たないのです。
そして、この度の丹波ナチュラルスクール事件が起こった。
丹波ナチュラルスクールの入学案内には、「家庭内暴力、校内暴力、ひきこもりなどを起こしている青少年を、自然に触れ合う環境で住まわせることによって、更正することを目的としている」とある。つまり、義務教育の不登校の子どもの受け皿ではないということですね。入学金は300万円、授業料は月額10~20万円。月謝に幅がある?そのあたりもフリースクールなんですねえ。
経営者ほかが、傷害容疑で逮捕されました。報道を拾い集めると…
○ 日常的な監禁や暴行
○ 期限切れの弁当を食べさせる
○ 木刀や手錠を常備
○ 体調不良でも病院に行かせない
○ 冬に、裸にして木に縛り、水をかける
○ 朝食は、通常与えない
○ 昼食と夕食は、コンビニ弁当または、カップラーメン
○ 脅し文句は、「戸塚ヨットスクールのようになる」
ルソーも、フロイトも、フーコーも、ヘッタクレも何もあったもんじゃない。いくらフリースクールとはいえ、刑務所よりひどい。刑務所に入ったことあるのかって?…な、ないですけど…。
丹波ナチュラルスクールを脱走して、連れ戻す場合、連れ戻し料として、20~30万円とられるそうです(連れ戻し係の人数による)。連れ戻される時、子どもは、「殺されるー!」と絶叫するそうです。脱走者が増えると、儲けも増える。虐待して、逃げる気を起こさせることも、先生の手腕ってことでしょうか。
この、丹波ナチュラルスクールは、「流行の半天を着た、金儲け」です。「悪徳商法」です。杞憂に終わればいいのですが、ここまでひどくなくても、似たような、「名ばかりフリースクール」の存在…否定できません。チェック機能をどう働かせるか、早急な対応を求めたいです。
「何とかしなければ」と、真剣に頑張っているフリースクール…最大の問題は、「子どもの状況」ではなく、「お金」です。資金繰りがつかず、やむなくけ閉所。閉所しなくても、創立者の理想には程遠い内容になってしまいます。資金がなければ、「不登校の子どもが、安心してすごせる場所のジャンルのフリースクール」の運営(あえて経営とは言いませんが)は無理です。
子どもたちの手で、「大学(シューレ大学)」まで作ったフリースクールがあります。凄いなあと思います。そうなったら、もう不登校でも引きこもりでもないです…よね?
いちゃもんではありませんが、「キャット ストリート」という漫画を御存知でしょうか?フリースクールが舞台ですが、校長以外の職員は出てきませんし、経営状態がどうなっているか全く触れられません。ストーリーは、不登校の子が夢と希望に満ちて、明るく強く生きていく…。
世の中の不登校の子たちが、キャット ストリートを見て、「フリースクールへのあこがれ」をもたれても困るのです。現実とのギャップが大きすぎます。傷口をこじ開けて粗塩を塗るようなものです。
ではどうすればいいか?
「不登校、引きこもりをなくせばよい」
どうすればなくなる?
対症療法としての、「アレル源の除去」です。「くしゃみ3回、ルル3錠」という、名コピーがありますが、「兆候の早期発見、早期治療」これが最も有効です。
言葉で言うのは簡単。誰が早期発見するの?周囲の大人のメガネが曇っていれば早期発見などできるわけがない。一期一会、メガネが曇っていない大人との邂逅、これに賭けるのでは情けなすぎますか・・・。
偏食の子が、給食を食べ残したら遊びに行けないので、不登校になった。「嫌いなものは食べなくてもいいよ」と指導するか、「少しでも食べてみよう」と指導するか。一生懸命な先生ほど、偏食をなくそうとするでしょう。不登校の原因は、大まかに、「家庭」「学校」「本人」にあります。偏食…親ですよ。でも親は不登校ではなかった。当然です、親の世代は、「学校へ行かないという選択肢はなかった」から、嫌いなものが給食に出る日も登校しました。
現在、不登校、引きこもりで病んでいる子については、手をつくしながら見守ってやるしかありません。
これからの子についてですが…
「自由なんてないんだよ。親の言うこと、先生の言うことには服従しなければならないんだよ」ということをしっかり教える。
どうしてこのような世の中になったのでしょう。犯人は、はっきりしています。 『自由だよ、平等だよ、権利だよ、夢は叶うよ、嫌なことはしなくていいよ、競争なんて論外、強制はだめ、子どもが主人公・・・』素晴らしい言葉の数々。その陰で、何千、何万の子どもが泣いたか!親が泣いたか!一生懸命な先生はじめ周囲の大人が心を痛めたか!