アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

21世紀の講義出欠確認 

2009年05月22日 | Weblog
猫や杓子は大学へは行きませんが、大学進学率は、47.2%。私大の定員割れは、47.1%(266大学)。相関があるわけないですが、割合の数字が似ています。私大の場合、定員が割れれば、収入が減る。現在、「いつ、つぶれてもおかしくない状態」の大学が、9校ある。文部科学大臣が言っていましたから間違いない数字でしょう。
 なぜ、定員割れに拍車がかかったか?少子化と規制緩和による大学数の増加にほかなりません。
 
 大学の授業(講義)は、真面目に出席する学生と、試験の時だけ出席する学生がほぼ半々でした。いつの話かって?1960年代の話です。出席していなければ単位をいただけないので、出席しない学生は、「代返(だいへん)」を頼むのです。1回100円で請け負う学生もいました。複数人の代返をしなければならず、「声色」を変えたのはいいのですが、自分で笑い出して代返が発覚しそうになり周囲が気をもんだ例も。
 教授のほうも心得たもので、「おう!今日は同じような声の人が多いなあ」とか言って自らを落ち着かせたり…。
 出席の返事をしてから抜け出す学生もおりました。それを見つけた教授が追いかけた。追いかけて教室を出て行ったままなかなか帰ってこない。ようやく戻って来た第一声、「逃げられた…みんなよく(教室に)残っていてくれてありがとう。もう一度出席とるから!」このことにより、返事をしたあと抜け出した学生が特定されたわけです。
 代返防止の策に、「出席カードに記名して提出」ということもありました。賢い学生がいるもので、出席カードを仕入れておりまして…皆勤賞ですよ!

 代返は、現在もどのような形でか続いており、大学側も苦慮している様子。
 そして、代返防止の新兵器「アイフォーン」の登場となった訳です。
 
 青山学院大が一部の学部の学生・教職員計約550人に配布したのは、携帯端末「iPhone3G(米アップル社製)」出欠確認をこのアイフォーンのGPS(全地球測位システム)機能で行うという。これは、代返が効きません。学生の送信場所を大学側が把握できるのですから、本当に教室にいるかどうかが即座に判明するのです。

 「基本料金は大学側が支払う」出欠確認にそれだけのお金をかけるのか?大学は、出欠確認のほか、簡単なテストやアンケートの回答、レポート提出にも通信機能を活用する。授業の録画を配信し、欠席した学生や復習したい学生が見られるようにする。おおー!出欠確認以外の目的がきちんとあったのですね。準難関校の青山学院大学が、「代返」に手を焼いているとなると、日本の大学生はどうなっているんだろうかと心配になったものですから。安心しました。特に、「欠席した学生や復習したい学生が見られる」これがいいですねえ。21世紀の大学教育という感じがします。

 アイフォーンによる出欠確認に抜け道はないのかって?出席する学生に、アイフォーンを預けることですね。GPSが、「教室にいるよ(あるよ)!」と、証明してくれます。
 そうまでして欠席して、何をするのかってことですが…。