アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

飲酒による暴力…特効薬は

2009年07月15日 | Weblog
 1970年代の東京…渋谷、新宿、池袋は、午後7時ともなれば、人・人・人。午後11時を過ぎると、ピークに達する。何のピークかって?酔っぱらいの数と、喧嘩の数です。喧嘩が始まると、地回りのチンピラが積極的に介入してくる。多勢に無勢、本気で逃げたこともありました。「特攻隊(修羅場を踏んで出世しようとするチンピラたち)」だか何だか知らんが、足が速かった。それ以上に、私は俊足だったが…。そんな危ないところへ近づかなければよかったろうって?それがおもしろかったんですよ。
 歌舞伎町を徘徊して、京王線で帰宅するのですが、酔った客が電車のホームでも喧嘩、車内でも喧嘩。車内では喧嘩のほか、ゲロを吐く奴(もったいない)、大声でわめく奴(度胸だめしで、混雑した車両で歌をうたわせられる学生もおりました)、吊革で「吊り輪」をする奴(体操部と思われる)、天井の扇風機に飛びついて一緒に回る奴(この人、某大学の教授になられております。しかも、法学部…)、誰かが網棚に置いた新聞「東京スポーツ」を読む奴(おっと、これは私のこと)。電車の中もおもしろかった。
 あの時代は何だったのだろう?オイルショック、安保闘争、学園紛争、三億円事件…みんなイライラしていた。手っ取り早い逃避は、「酒を飲んで暴れる」…一部かも知れませんがね。

 あれから40年。近年また、駅や街中で酔っぱらいが暴れるトラブルが増えているという。日本民営鉄道協会によると、列車や駅で乗客が駅員らに暴力をふるったトラブルは平成20年度、過去最多の752件にのぼったが、そのうち58%は飲酒したうえでのトラブルだった。暴力行為の36%は夜10時以降で、ちょうど酔いがまわってくる時間帯だった…。
 
 8時間近く酒を飲んだ大学生が、見知らぬ女性を線路に引きずり落とした(京王井の頭線永福町駅)。女性は重傷。大学生は、処分保留で釈放(東京地検は「殺害や傷害の故意は認定できない」)
 酔客を降ろした駅員が、突然傘で殴られた。
 乗客同士のけんかの仲裁に入った駅員3人が、逆上されてけがを負った。
 草なぎ剛さんも、酒に酔った上で事件を起こした(暴力とは関係ないが、酒によって…ということで)。
 元警視正が酔ってトラブル。駆けつけた警察官2人の顔を殴った。
女が、元夫と飲酒中に喧嘩になり暴行して死なせた。

 マスメディアで報道される飲酒が原因の暴力等は、氷山の一角にすぎないでしょう。なぜこのような状況になっているか?
 夢もあり希望もある→努力しても、自分の希望がかなわないことを知る→ウサ晴らしに酒を飲む→酒が自暴自棄にかぶせていたベールをはがしてしまう→暴れる

 この流れを一言で表すと、「学力の低下」です。「学力」は、「学んで得た力」。
 欲求不満のはけ口が、酒であり、暴力です。学力の高い人が、欲求不満の解消のために酒を飲みますか?学力の高い人の飲酒は、「食欲増進、軽度のストレス解消、発想転換、疲労回復など」のためです。酒を飲んで気が大きくなり、弱そうな人を見つけて暴力をふるうなどの間違いは起こしません。なぜなら、暴力では何一つ解決しないことを知っているから。また、暴力は、相手を死なせるかも知れないし、自分が死ぬかも知れない。
 実際、電車を降りる際にぶつかった2人の男性が口論になった。ホームで互いに蹴り合うなどもみ合いになった。そして、動き出した電車に倒れ込んで接触し2人とも亡くなっている。10日ほど前の夜10時半、JR大船駅ホームでの出来事です。

 では、今何をすれば飲酒による暴力を減らせるか?学力の問題ですから学力をつければよいことです。しかし、学力は急にはつきません。
 では、特効薬はないのか?…「景気回復」です。景気回復が、飲酒による暴力を少しは減らせてくれる。