アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

中教審の「新しい学校」は職業教育改革にならない

2009年07月25日 | Weblog
三村明夫、梶田叡一、田村哲夫、安彦忠彦、安西祐一郎、宇津木妙子、寺島実、増田明美、ほか22人。これは、何のメンバーか?企業のトップ、学者、評論家、元ソフトボールの監督、元マラソン選手、首長、などなどの肩書き。現在の、中央教育審議会のメンバーです。メンバーに現場の教師が入っていない。現場がどうなっているのか、分かっているのだろうか?分かるはずがないですね。

 この中央教育審議会、職業教育改革の中間報告で、「実践的な職業教育に特化した新たな学校制度案」を提起した。
 中味は、高校を卒業してからの進路として、新たな学校を作る…つまり、大学、短大、専門学校など既存制度の「枠外の高等教育機関」を作るというもの。

 この報道で真っ先に、「短大、大学つぶれていく中、何で新たな学校を?」と思いました。大学経営と職業教育は無関係ということなのか?中間報告をもう少し読みますと…
1 入学者は、高校卒業者。
2 修業年限は2~3年、もしくは4年以上。
3 実験、実習など演習型授業に4~5割をあてる。
4 関連企業へのインターンシップを義務づける。
 これでも、まだ、なぜ…?の疑問は消えない。これらなら、大学、短大、専門学校で十分出来る内容。

 このような案を出さなければならなかったのは、「若年無業者の増加」「早期離職」の対策を打ち出さなければならなかったからです。未曾有の不景気で、雇用崩壊。若年労働市場は、まともにこの大波をかぶっています。企業は、「即戦力がほしい」の、連呼です。これまでのように、企業が人材を育てる余裕がなくなっているのです。だから新たな学校…。

 この新たな学校案は、各界の意見を踏まえて答申にまとめられる…。
 私は、「(新しい学校は)必要ない。やめてくれ!演習型授業やインターンシップなら、現在の大学、短大、専門学校で出来る」です。なにより、その「新たな学校」へ行かない若者については、「若年無業者の増加」「早期離職」の対策ができないことになりますよ?そのような片手落ちで、「職業教育改革案でございます」と、言われても…。

 「若年無業者の増加」「早期離職」は、中教審案では対策にはなりません。
 では、どうしたらいいか?「若年無業」「早期離職」の原因は何ですか?もちろん複合的ですが、「楽な仕事で、高収入を望む」のが原因でしょう。望みが叶わないから、早期離職。離職してしまうと働く気がなくなる。だから無業。このサイクルは、演習型授業を4~5割にしてもどうにもなりません。インターンシップだあ?半日で逃げ帰るんじゃないの!

 私の案は、「高校、大学、短大、専門学校のカリキュラムに、「武士道科」を入れる。そこできちんと武士道を教える。武士道科担当教員は、研修させ認可を与える。このことには、しっかり予算を使う」というものです。
 「キツイ仕事でも投げ出さずに続ける。収入に見合った暮らしをし、派手な消費生活を望まない」武士道科なら、このような若者を育てられます。大金を使うより、ずっと有効な職業教育改革案だと思うのですが。