何かに掴まっていなければ吹き飛ばされるほどの強風、降りしきる雨、寒さ…そのような山で、疲労困憊で歩けなくなった。パーティーは先へ行ってしまった…これはないでしょう…
夏山最大の悲劇…北海道大雪山系のトムラウシ山(2,141メートル)と美瑛岳(2,052メートル)で登山ツアー客ら10人が遭難事故で死亡した。
トムラウシ山のツアーでは、客7人とガイド1人が死亡。
遭難した18人のパーティーは、北海道外7県の55歳から69歳までのツアー客15人と、3人のガイド。7月14日に入山、四十数キロを縦走して、トムラウシ山頂を経て16日に下山予定だった。 14・15日は、避難小屋宿泊。
16日早朝・・・降雨、平均風速は20~25メートルの中を出発。
10時30分・・・歩けなくなった女性と、ガイドがテントを張って残った。あとの16人は縦走を続けた。
正午ごろ・・・意識不明者が出て、5人がテントを張った。
そのあと・・・残りの11人もバラバラになった。
午後4時・・・携帯電話で110番通報(携帯電話の電波が届く地点まで下山)。
この遭難、八甲田雪中行軍遭難事件とダブリます。
日本陸軍が八甲田山で冬季訓練中に遭難した事件。訓練への参加者210名中199名が死亡する、日本の冬山登山史上もっとも多くの遭難者が出た事件。
部隊は猛吹雪で迷い、落伍する兵がでてしまう。その兵が誰なのか確認すらできなかったという。
その後、全員疲労困憊し、隊列も整わず統制に支障が出始めた。吹雪により部隊は完全に前後不覚の状態になり遭難となった。全員落伍、「露天に露営する」状態となる。前日より不眠不休で絶食状態であるため、次々と隊員が倒れていった。
トムラウシ山の遭難と、八甲田山の遭難…どこが似ているか?
パーティーでも軍隊でも、集団行動は統制行動でなければならない。それにもかかわらず、「最初の一つの判断」から、非統制行動となってしまった。非統制行動は、群衆行動、乱衆行動です。
どちらも最初の落伍者を出した段階が問題でした。トムラウシ山の場合は、歩けなくなった一人にガイドをつけてその場に残しています。この段階で、パーティーは縦走を止め、救助を求める措置をしなければなりませんでした。結果論だから、何とでもいえるだろうって?これは、集団行動の基礎基本です。
集団(パーティー)は、目標・規範を共有して集団の自己同一視する意識があるもの。つまり集団行動は集団が目的を達成するために、個人の人権を奪う側面もあるのです。元気な人は、下山。動けない人は残る…これは、集団行動ではありません。結果論ですが、動かずに救助を待てば、犠牲者がもっと少なかったでしょう。
このように運命を共にする集団行動の一番の問題は、「リーダー」です。八甲田山の時は、リーダーの軸がブレていたことが分かっています。トムラウシの場合、リーダーは…。山に精通していたガイドがリーダーだったのか?ガイドは道案内だけで、ほかにリーダーがいたのか?それとも、その場その場で、声が大きい人の意見に従っていたのか?登山に限らず、リーダーにより、国民、職員、隊員が迷走しなければならないハメに陥るのです。
「軽装だった」「予備日が設けられていなかった」「3人のガイドのうち2人がトムラウシ山は初めて」など、原因究明が行われている。それはそれで、しっかり追究していただけばよい。
確認しなければならないのは、集団行動。
「18人で出発したら、2泊3日の予定が1週間に延びても、18人で帰ってくる」この意識で・・・。
夏山最大の悲劇…北海道大雪山系のトムラウシ山(2,141メートル)と美瑛岳(2,052メートル)で登山ツアー客ら10人が遭難事故で死亡した。
トムラウシ山のツアーでは、客7人とガイド1人が死亡。
遭難した18人のパーティーは、北海道外7県の55歳から69歳までのツアー客15人と、3人のガイド。7月14日に入山、四十数キロを縦走して、トムラウシ山頂を経て16日に下山予定だった。 14・15日は、避難小屋宿泊。
16日早朝・・・降雨、平均風速は20~25メートルの中を出発。
10時30分・・・歩けなくなった女性と、ガイドがテントを張って残った。あとの16人は縦走を続けた。
正午ごろ・・・意識不明者が出て、5人がテントを張った。
そのあと・・・残りの11人もバラバラになった。
午後4時・・・携帯電話で110番通報(携帯電話の電波が届く地点まで下山)。
この遭難、八甲田雪中行軍遭難事件とダブリます。
日本陸軍が八甲田山で冬季訓練中に遭難した事件。訓練への参加者210名中199名が死亡する、日本の冬山登山史上もっとも多くの遭難者が出た事件。
部隊は猛吹雪で迷い、落伍する兵がでてしまう。その兵が誰なのか確認すらできなかったという。
その後、全員疲労困憊し、隊列も整わず統制に支障が出始めた。吹雪により部隊は完全に前後不覚の状態になり遭難となった。全員落伍、「露天に露営する」状態となる。前日より不眠不休で絶食状態であるため、次々と隊員が倒れていった。
トムラウシ山の遭難と、八甲田山の遭難…どこが似ているか?
パーティーでも軍隊でも、集団行動は統制行動でなければならない。それにもかかわらず、「最初の一つの判断」から、非統制行動となってしまった。非統制行動は、群衆行動、乱衆行動です。
どちらも最初の落伍者を出した段階が問題でした。トムラウシ山の場合は、歩けなくなった一人にガイドをつけてその場に残しています。この段階で、パーティーは縦走を止め、救助を求める措置をしなければなりませんでした。結果論だから、何とでもいえるだろうって?これは、集団行動の基礎基本です。
集団(パーティー)は、目標・規範を共有して集団の自己同一視する意識があるもの。つまり集団行動は集団が目的を達成するために、個人の人権を奪う側面もあるのです。元気な人は、下山。動けない人は残る…これは、集団行動ではありません。結果論ですが、動かずに救助を待てば、犠牲者がもっと少なかったでしょう。
このように運命を共にする集団行動の一番の問題は、「リーダー」です。八甲田山の時は、リーダーの軸がブレていたことが分かっています。トムラウシの場合、リーダーは…。山に精通していたガイドがリーダーだったのか?ガイドは道案内だけで、ほかにリーダーがいたのか?それとも、その場その場で、声が大きい人の意見に従っていたのか?登山に限らず、リーダーにより、国民、職員、隊員が迷走しなければならないハメに陥るのです。
「軽装だった」「予備日が設けられていなかった」「3人のガイドのうち2人がトムラウシ山は初めて」など、原因究明が行われている。それはそれで、しっかり追究していただけばよい。
確認しなければならないのは、集団行動。
「18人で出発したら、2泊3日の予定が1週間に延びても、18人で帰ってくる」この意識で・・・。