アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

加害者家族に罪はないのだが

2010年04月13日 | Weblog
 足利事件の菅谷さんに続き、名張毒ぶどう酒事件の奥西さんもどうやら冤罪だったような‥。「人生を返してくれ!」といったところで返らない。
 冤罪の怖いところは…
1 犯人にされた人にとって人生が終わった。
2 犯人とされた人の家族が針のむしろの人生になる。
3 真犯人は、のうのうと生き続ける。
 グリコは一粒で二度美味しいが、冤罪は一つでずっと苦しい。真犯人は今どこでどうやっているんでしょうか…。

 日本の未成熟な部分として、冤罪はもちろんですが、「犯人の家族を色眼鏡で見る」ということが挙げられます。無罪となった、菅谷さんですら、「外へは…(出たくない)」と。なぜなら、「おい!菅谷!オマエ本当はやっているんじゃないのかぁ?」と言われるのに耐えられないから。

 冤罪から離れて、重大事件の犯人の場合ですが、本人は事件を起こしてしまったので法の下に罰せられるのは当然。問題は、家族(一族郎党も)です。「殺人犯の兄弟姉妹」を雇ってくれる企業がありますか?公務員試験にも合格させていただけないんじゃないか?犯罪とは直接関係ないのに…。自殺に追い込まれた家族もありました。暗に学校から転校を勧められる子も。地域社会やメディア、ネットの攻撃によって「孤立」していく加害者家族。「命を大切に!」鳩山首相も声をからして述べておりましたが、重大事件犯人(加害者)家族の「命(人権)」を何とかしていただかなければ。国民に、加害者家族がどんな目に遭っているかを広く知らせる必要があります。格好の例というと不謹慎ですが、「手紙」という映画があります。

 映画を御覧になられたと思います。犯人の家族についての映画で…中高生には是非観てほしい。観ることを義務づけてもいいような映画です。道徳の授業でこの映画を全編鑑賞して話し合いをさせた中学校教諭がおりましたが、すばらしい先生がいるなあと感心させられました。観るだけでいいのです。「犯罪は、犯人だけが苦しむのではないんだよ。だから、絶対犯罪を犯さないようにしようね」と語っている映画です。鑑賞させっぱなしでもOK。子どもたちの心に十分な衝撃を与えてくれますから。「手紙」を観た人は、「菅谷さん良かったですね」と、声には出さなくても、心では言うでしょう。

 沢尻エリカさんでさえ、マスコミに対し、「先祖・子孫・配偶者にはかまわないで」と、要求しています。
 加害者家族についても、「加害者と、家族は全く関係ありませんキャンペーン」が必要か?
 加害者がいなければ…つまり、犯罪が起こらなければ加害者家族が生まれない。生まれてしまった加害者家族は「偏見」により辛い思いをしなければならない。
 加害者自体が、「偏見により罪を犯してしまう」…。偏見をなくす教育…これですね。どういう教育をすればよいか?「ならぬものはならぬのです(ダメなモノはダメ)」の教育です。