アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

花を盗んだ泥棒…

2013年06月04日 | Weblog
 昨日は、「いい話」を書きました…今日は、情けない話…。
 昨夏、農家の庭先の苗直売ワゴンで、「花の苗」を買いました。店番のお婆さんが、「いっぱい買ってくれたから、これ、やるから!」と、コエビソウ(小海老草)をおまけとしてくれました。

コエビソウ は、花穂の形がエビに似ているところから名づけられたと、思われます。枝先についた花穂(かすい)の赤褐色の苞が鱗のように重なって、エビのような形になるのです。珍しい花なので、ありがたく頂戴してきました。

 積雪地帯なので、冬は鉢に上げて室内で育てました。そして、先日花畑に植え替えました。家人が、移植していたところ、散歩のお婆さん数人が、「何植えてんの?」と話しかけてきたそうです。

 そして…わが家のコエビソウは…盗まれました!
 家人の落胆ぶりは、気の毒なくらい。
 「こうゆうこと(花を引っこ抜いて持ち去る…早いはなしが泥棒)が平気で出来る人がいるということが恐ろしい」と。

 花畑のコエビソウを植えてあったところは、鉢状の穴が。私は、「穴をそのままにしておかないで、何か植えたら」と、言いました。
 「何を植えても、盗まれるような…」虎というか馬というかになってしまっています(早い話がトラウマ)。

 犯人像は…
 1 徒歩でわが家の前を歩く人・・・車からでは見えない場所なので。
 2 年配の女性・・・若い人は、コエビソウに興味など示さない。男は、花を盗んで自分の家の庭に植えようなどとは考えない。
 3 そこに、コエビソウがあることを知っていた(流しの犯行ではない)・・・移植したばかりなので、手で抜けることを知っていた。運搬用の、プラスチックバッグを持参していたことでしょう。
 4 移植作業の家人に話しかけてきたお婆さん達の中に犯人がいる可能性が強い・・・興味があるから、話しかけてきた。

 和泉式部集(恋の部) 藤原公任の歌…
 「われが名は花盗人と立てば立てただ一枝は折りて帰らん」
 意味は…花、特に桜の花の枝を折って盗むのは花の美しさにひかれたあまりのことで、風流心の表れであるから、とがめることでもない…。
 つまり、「花泥棒」は、許される…。

 アノネ!わが家のコエビソウは、まだ咲いてなかったのっ!例え咲いていたって、あんな小さな木の枝を折ることは許されることではないっ!
 コエビソウ泥棒は、「花泥棒」ではなく、本物の「泥棒」です!

 心ない人から受けたダメージは大きいです。単に花を失ったほかに、近隣に誰も見ていなかったら何をするか分らない人がいる不安。再発を防ぐ手だてがない焦燥。「心的ダメージ」が…。
 私達が、犯人に何かしましたか?鉢の花を花壇へ移植しただけで、どうしてこのような嫌な思いをさせられるのか…。