アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

エヴォラで暮らす日本人の若者

2013年11月07日 | Weblog
 エヴォラでは、天正遣欧少年使節ゆかりのカテドラルをはじめとする、世界遺産の歴史地区を散策しました。
 パルテノン神殿のようなエンタシス形式の柱を持つ崩れかけた遺跡を発見。私が驚いているのに、現地ガイドは、「何が珍しいんだ?そんな崩れかけたもの?」と、あっけない。まあ、古いものには事欠かないということか。

 で…エヴォラ歴史地区のはずれに、日本人が経営するみやげもの店がありました。華僑ほどではないにしろ、日本人は全世界へ行って暮らしている。ポルトガルのエヴォラでみやげ物店をやっていて何の不思議もない。ただ、店主が20歳代。これって、なかなか珍しい。アルバイト店員じゃなかったのかって?イエイエ、しっかりインタビューしましたから、間違いなく経営者です。

 札幌市の出身。高校時代にエヴォラにあこがれ、卒業と同時にエヴォラへやって来た。そして、10年ほど頑張って、とうとう自分の店を持った。店の客は90%が日本人観光客。「気前よく買ってくださるので、ホントありがたいです」と。腰が低い若者なので、ついつい買ってしまいます。
 穏やかな笑顔を絶やさないなのですが、開店までの10年間大変な苦労の連続だったと思います。
 ガイドが言ってました。
 「もう一人、小太りの若者との共同経営のはずなのですがねえ。このところ小太り君がいないのです…。ケンカ別れしたかな…」

 店の外まで見送りに出てくれた店主の若者…私たちの姿が見えなくなるまで、ズーット見送ってくれていました…。郷愁の念か、はたまた小太り君とのトラブルで落胆していたのか…
 ポルトガルの田舎町で生きる日本人の若者…「幸せだった」と、思える生涯を送ってほしい。