アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

野球人には人柄が大切

2013年11月14日 | Weblog
 メジャーリーグへ行った日本人野球選手で異色なのは、川崎宗則選手(ムネリン)でしょう。どこが異色かって?それは、「野球技術」もさることながら、「人柄」で、メジャーを獲ったということで。
 渡米2年目の今季、実力でマイナーからはい上がった。全力プレーと明るい性格でファンのみならず、同僚選手の心をつかんだ。逆転サヨナラ打もありました。その後のインタビューで「アイ・アム・ジャパニーズ!」と叫びましたねえ。

 そのあと活躍できずマイナーへ…。あれあれ、ムネリンだめだったかと日本のファンは思いましたぁ…よね?
ところが、なんと選手から、「ムネはベンチに必要な選手」という声が上がった。メジャーリーグの選手の場合、「同僚を蹴落とさなければ自分が生きられない」…そんな世界です。ベンチに入る選手は皆敵ですから蹴落とさなければならない。それなのに、「ムネをメジャーへ上げてくれ」というのですから、青天の霹靂。いかにムネリンが親しまれていたかがうかがえます。
 人柄でメジャー昇格はないだろうって?表向きは、「メルキー・カブレラの故障者リスト入り」ですが、カブレラの代わりはムネリンでなくてもよかったわけです。
 かくしてムネリン、マイナーに落ちてわずか2日後にメジャーへ復帰。人柄以外の何物でもない。

 で、7月に再度降格。これは、ブレット・ロウリーが復帰したから。いくら人気者のムネリンでも、WBCカナダ代表の23歳にはベンチを譲るしかなかった。ところが、8月にエミリオ・ボニファシオが移籍した(カンザスシティ・ロイヤルズへ)ので、またまたメジャー昇格。人柄のなせる業。
 打率.274、出塁率.348で今シーズンを終えた。そしてこの度、契約解除。

 このように、「マイナー→メジャー→マイナー→メジャー」を繰り返していたにもかかわらず、ムネリンは、8月に再昇格した2日後に、「育休リスト入りして、長男の誕生に立ちあっていた」。これは、道徳の教材になりますよ。「仕事より長男の誕生を優先した」。メジャーリーガーに、「育休リスト」という制度があるというところが面白いのですがね(2011年から)。あと、「忌中リスト」もある。もちろん、「故障者リスト」もあります。

 で、ムネリン、来シーズンはどこで野球をやっている?それは、本人にも分からない。