アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「ガマににらまれた蛇」

2013年11月12日 | Weblog
 「蛇ににらまれた蛙」という諺があるように、蛙はどうがんばっても蛇には勝てない…この65年間そう思い込んでおりました。
 長生きはするもので、このほど、「蛇を飲み込む蛙」の写真を見ることが出来ました。蛙、なかなかやるじゃないか!「そんな写真、見てないよ」と、おっしゃる方向けに少々…。

 10月中旬、石垣市のおじさんが自宅庭先で、オオヒキガエル(10~15センチメートル)を発見。よく見ると口から、そのオオヒキガエルに飲み込まれている途中の蛇(の胴体から尾にかけて)が出ていた。そこで、写真をパチリ。
 石垣市の場合、オオヒキガエルの駆除を行っている市なので、当然このオオヒキガエルは写真を撮られたあと、蛇を飲み込む途中で撲殺される運命…。ところが、おじさんはヒキガエルを逃がした。なぜか?「オオヒキガエルが飲み込んでいた(捕獲後吐き出した)蛇は、ハブだと思ったので、オオヒキガエルは「命の恩人」…じゃなくて、「命の恩オオヒキガル」なので逃がしてあげました」と、いうわけ。

 おじさん、ポイントを損してしまいました。メスを捕獲すれば6点、オスは2点、こどものガマは1点。捕獲数や捕獲量の多い人には、石垣市から記念品(図書券など)が贈られるわけで…。

 オオヒキガエルがハブを飲むのであれば、駆除しないで増やせばいいだろうって?
 実は、オオヒキガエルは、「特定外来生物」に指定されているのです。どうやって持ち込まれたかは…私も不確かですが、石垣島全域に生息し、生態系に悪影響を与えはじめているのだと。で、飲み込まれつつあった蛇、実際はハブではなく、「準絶滅危惧種のサキシマバイカダ」という蛇であったらしい。サキシマバイカダは、1メートルほどの長さ。小指ほどの細さというから、オオヒキガエルに飲み込まれてしまう…。ただ、いくら細いとはいえ1メートルですから、10~15センチメートルのガマ(ヒキガエルはガマでしょう)の胃袋には入りきらない。よって、吐き出してしまう。

 で、日本の諺ですが…国際化社会にあって、「蛇ににらまれた蛙」は、もう通用しませんね。「ガマににらまれた蛇」というのも追加しなければなりません。