アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

みんなが持ってる郷土愛

2014年01月13日 | Weblog
 「旨いもの」…「美味いもの」と、書いてもいいのですがね。6人で昼食をたべてとき、旨いもの談義になりました。「北海道が一番」という意見が5人を占めた。「私はそうは思わない」と、やんわりと主張したのですが、「何をおっしゃるアンティークマン!」といった感じで総攻撃を受けました。この人達に何を言っても通じないと思い、表情を硬くして黙っていましたよ。

 私としましては、確かに食材は北海道に魅力があります。何しろ2013年の北海道食料自給率は192%ですから。ちなみに東京都は、1%。
 食材は豊富でも、「料理」は、北海道はまだまだと言っても決して過言ではないと思っています。私は、47都道府県の全てを旅行して、その土地の旨いものをいただいてきました(自慢しているわけではありません。長く生きているということ)。どれもこれも、「文化」です。京都はおそらく日本一ではないかと思います。京料理はまずいとおっしゃられる方もおられますが…。京都の料理、食材は北海道からのものがけっこう多い。北前船の昔から、北海道の食材は京都へ運ばれていましたから。
 歴史・伝統・文化に育まれてきた「料理」は、料理新参者の北海道には、及びようもない。もっとも、これは一般的な話です。個別の料理となれば、「北海道の幌加内の手打ちそばが一番」という話になっても何の問題もない。つまり、「旨いもの」は、個人の味覚であって、多数決やら、評判で評価するものではない。
 なお、「美味しんぼ」というマンガで、「刺身は料理か?」という問題が投げかけられていました。魚を切っただけなら、料理ではありません。刺身の場合、「塩紙」を使った歴史的な経緯があります。ですから、「料理」といってもいいかと。「美味しんぼ」でも、そのような結論づけだったかと。料理って、人類最高の文化かもしれません。

 で、「北海道が一番旨い」を主張する5人中3人が北海道出身者。これは、別の意味でいいと思いました。自分の郷土を誇る事ができるのは素晴らしいことですから。郷土愛のなせる業です。

 長野県出身者が同席していたので、ほかの参会者と冗談半分の口論となりました。
 参会者:長野県ってさあ、監査がいい加減なんでしょう!厚生年金関係(長野県建設業厚生年金基金)の事務局長が24億円を着服したってんだから…1億円の段階で気づかなきゃ!
 長野県:おいおい、青森ほどじゃないよ。青森は、アニータ一人に14億円も貢いでいたでしょう(青森県住宅供給公社職員)!
 参会者:長野が10億円も多いでしょうがぁ!
 長野県:な、長野は、複数人に貢いだぁ…。

 私は「旨いものの部」で主張が一顧だにされず気分を害していたので、この「大金横領県別対抗罵り合戦」には口をはさみませんでしたがね。
 おもしろかったのは、旨いもの同様、横領も「郷土愛」があるからこその罵しり合いというところでした。自分の国、郷土を大切にする心…誰しもが持っているものです。

 気分を取り直した私が、「教育で愛国心育成の徹底を目指す日本の方向」について水を向けました。会話を盛り上げる気配りができるんですよ、私は!
 ところが…やぶ蛇でした。旨いもの同様、愛国心の大切さを口角泡を飛ばして説く私に、一斉に反撃が!24億円論争で沈んでいた長野県人までが蘇生して…!「間違った方向へウンヌン…(←これ、某大手新聞に書いてあったことと同じ!)」

 日本は、おもしろいとつくづく思いました。「いざっ!」となったら立ち上がり、力を合わせる国民だと信じていますが…。えっ?立ち上がって何をするかって?侵略者を排除するに決まってるじゃないですか!強盗に入られたら、家族と財産を守るのが当然でしょ。
 北海道人も、長野県人も、「食」や「横領」について立ちあがった。と、いうことは…私は、侵略者?強盗?
 奥歯に何を挟んでいるかって?…教育で愛国心を育成しなくても、十分育っているんじゃないかと…。自己愛→家族愛→郷土愛→そして、国を愛する。
 教育で愛国心育成の「徹底」を目指すという方向に反対はしませんがね。