アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

泳いでつくるキュウリの浅漬け

2020年09月15日 | Weblog
 アラブ首長国連邦(UAE)とバーレーンが相次いでイスラエルとの国交正常化に合意しましたねーっ。これは、アラブ世界の構造的変換を象徴するものですよ!
 これまでのアラブは、エジプト、イラク、シリアといった人口規模が比較的大きく、歴史的にも地域の中心だった国々が主導権を握ってきました。イラク戦争、アラブの春で、これらの国々は政治的影響力を失いはじめてきたわけで。そこで台頭してきたのが、湾岸産油国。サウジアラビア、UAE、カタール、政治面をはじめ、「脱石油時代」を展望した改革を進めている。ですから、「先端技術を有するイスラエル」と結びつくのは、自明の理。とはいえ、「思い切れないだろう」と、高をくくっておりましたがね。トランプさんが、自分の手柄のように吹聴しているのが少々気になりますがぁ…。トランプさんは、イスラエル好き、私もイスラエル好きなので、まあ、許してあげましょう。
 なぜイスラエル好きか?これを書き始めると…18世紀まで遡らなければなりませんので、割愛。
 で、私の世代は、イスラエルといえば「キブツ」だったのです。実際、学生時代の友人が、キブツへ行きました。私も興味がありましたが、なんとも失礼ながら、自分の中では「統一教会的な胡散臭さ」がありまして…。現在のキブツはぁ…見る影もなくなっていますね。
 あと、イスラエルの気がかりぃ…は、死海ですね。
 死海は塩分濃度が33%と高いので、人が浮かぶ。よって、鰓(エラ)がない人でも、なんの苦もなく泳げる。貧富の差、足の長さ、頭髪の量に関係なく誰でも泳げる。平等だぁ!浮かんで本まで読める。因みに、地中海の塩分濃度は、3%。これじゃあ、泳げない人は泳げない。不平等だぁ!
 で、死海がピンチなんです。国交正常化で喜んでいる場合じゃないんだよね。いずれ、ユンニ塩湖みたいな白い平地(塩)になってしまう。ピンチの理由は、死海へ流れ込む川からの大量取水。湖水は減る一方。
  死海の湖面の海抜は、「マイナス417メートル(2004年)」でした。これがこの度は、「マイナス430メートル」になっているという。これは、笑い事ではありません。ヨルダンの環境団体は、「沿岸国の水需要は増え続けているから、2050年には湖が消える」と断言しています。
  対策としまして、紅海から海水を汲み上げて死海に流し込むという。そ、そうなると、「誰でも泳げる、浮かんで本まで読める 死海の魅力」が無くなってしまう。塩分濃度が低くなるから。まあ、湖水がなくなるよりはいいので、それには、目をつぶるとしてぇ…紅海の水を入れるということはぁ…死海の水が紅くなってしまうんじゃないか?
 アラブ世界の構造的変換は、いいと思います。並行して、死海を塩の平地にしない方策をお願いしたい。
 なぬ?「なぜそんなにこだわるのか」って?私の夢の一つに、キュウリをもって、死海に入る。死海の海水浴は、20分で出なければならないので、20分後に浜に上がります。そして、キュウリを食べます。塩分濃度33%で、20分。ちょうどいい具合に浅漬けになってます。