わが家の中で(と言ってもボクと女房の2人だけですけど)今、GK阿部航斗選手の株がグングンと急上昇中です。「えっ?秋田戦を完封したGKは小島だし?」「小島の間違いじゃないの?」って声も聞こえてきそうですが、そうではありません。今のこの状況下での阿部ちゃんの姿や振る舞いを見るにつけ、「選手としてだけでなく人間としても素晴らしいな…」と、彼の魅力にすっかり魅了され惚れ込んでしまいました。
言うまでもなく、今シーズン序盤のアルビレックスの快進撃を支えたチームの功労者の1人が、守護神・阿部航斗選手でした。開幕からの5連勝、そして13試合連続負けなし。その間ずっと、アルビレックスのゴールを守り続けたのは、大卒2年目の阿部ちゃんです。
新潟市出身。アルビの下部組織で育ち、筑波大でさらに成長してアルビに入団した生粋の新潟っ子の阿部選手は、大卒ルーキー1年目の昨シーズン、1度も公式戦に出場することなくシーズンを終えました。開幕戦のゴールを守った五輪候補選手の小島がケガで離脱した後も、ゴールを守ったのは年下の藤田でした。さらに控えにはベテランGKの大谷の存在もあり、阿部ちゃんはベンチ入りすらできない存在でした。
それが今シーズン、開幕戦の北九州戦で公式戦デビューを飾ると、しっかりとレギュラーの定位置を確保。その明るいキャラに加えて、金色や赤色に染めた坊主頭、試合前の「四股ふみ」のルーティーンなどでも、しっかりその存在感でボクらを魅了してくれました。そして彼の活躍が、今シーズン序盤のアルビの快進撃を支えます。
しかし、6月にレンタルで新潟に来ている小島が、昨シーズン以来続いていた長期リハビリから回復して天皇杯で復活すると、リーグ戦でも岡山戦・秋田戦と2戦連続してゴールマウスを守りました。しかも、小島は復活のタイミングで入籍も発表。ボクらサポーターも、小島の復活をダブルでお祝いしました。もちろん、その思いは今も変わりません。
だけど、阿部ちゃんの心境を考えると複雑だろうな…と思います。もちろん「GKのポジションは4人みんなで戦っている」って思いも、「チームメートの小島の復活を喜ぶ」って気持ちもあるだろうけど、「なんで自分が控えにまわらなきゃいけないんだ?」「今シーズンのアルビを支えてきたのは自分じゃないのか?」「自分と小島には技術的な差はないはずだ!」「なのになぜ?」そんな思いが心の片隅に湧き上がったとしてもおかしくありません。いや、間違いなく阿部ちゃんの心の中には、そんな思いがあるはずです。
ですが皆さん、秋田戦でのゲームを見ました?そして、モバアルZでのゲーム前後の選手たちの映像を見ました?阿部ちゃんの姿、すばらしいですよね。ロメロ選手とともに、ベンチから誰よりも大きな声を出してチームを盛り上げ、試合前やハーフタイムにはピッチで戦う選手を鼓舞する姿。ボクは見ていて感動しましたよ。涙が出そうになりました。たいしたもんだ!阿部ちゃん!君はすばらしいよ!
きっと選手の皆さんも、そんな阿部ちゃんの姿を見て当然感じるものがあるのでしょう。試合後にG裏のサポーターの前で選手が挨拶をするときに、キャプテンのゴメスが阿部ちゃんに「万歳」の音頭をとるように促しました。その姿をDAZNで見て(千葉ちゃんの胴上げも含めてね)、「あぁ選手のムードもいい感じだな…」と胸が熱くなりました。小島選手だってそんな阿部ちゃんの姿を見ていたら、気を抜いたプレーなんて絶対にできませんよね(見てなくてもしないだろうけどさ)。
阿部ちゃん!ボクらも君の姿を見ているぞ!そして応援しているぞ!頑張れ!阿部ちゃん!ボクらのヒーロー!