ここに紹介した 「 南風 ( ぱいかじ ) よ吹け 」 は、
八重山の快男児オヤケ・アカハチのことを初めて描いた絵本である。
首里の王府からすれば、琉球王府に刃向かう八重山の反逆者と言われているが、
逆に八重山 ( 石垣 ) では八重山大浜村の人々のために一生懸命に働いた
心やさしき八重山の英雄だと言われている。
これは、勝連の阿麻和利と同じである。
「 首里天加那志、御主加那志前を畏れぬ謀反人! 顔をあげよ 」
キッと顔をあげたアカハチが、こう答えた。
「 謀反とは臣下が主君に背くこと。
われらは首里の臣下になった覚えはない。
お前たちの主君・尚真こそ、尚徳王を殺して王になった謀反人・尚円の子。
われらを謀反人呼ばわりは片腹痛い。 」
「 この島の上を南風が渡る時、わしはパイパティローマから夢を乗せて吹いていると思え! 」
そう言って、その場で斬首され、亡骸は於茂登岳のふもと底原に投げ捨てられた。
現在、アカハチが村のために尽くした大浜村に
アカハチとアカハチの妻クイツバの碑が建っている。