むかし熊本に住んでいた頃、江津塘から稲田パンの手前を右に曲がり、
古賀歯科の前を通り、東浜屋のうなぎの匂いを嗅ぎながら、
電車通りを横切って砂取り小学校の横を抜けて、
県庁を右手に見ながら競輪場へ向かっていた。
そんな懐かしい思い出がある熊本県庁である。
この春、熊本県は、熊本市出身の尾田栄一郎さんが描く人気漫画
「 ONE PIECE ( ワンピース ) 」 のキャラクター像8種類、
計8体の設置場所を発表した。
震度7を2度観測した益城町に料理人サンジを置くなど、
被災の規模が大きかった県内8市町村に据えることが決まった。
熊本地震から3年が経過し、復興を後押しするのが狙いである。
8体は、海賊王を目指す主人公ルフィの仲間たち。
県はこのうち4体の銅像を、来年3月までに設置する予定で、
残りを2020年度中に設置することが予定されている。
益城町にサンジの像を設置するのは、給食センターが大打撃を受けたことを考慮してのもので、
東海大学農学部キャンパスが授業拠点の移転に追い込まれた南阿蘇には、
考古学者ロビンを配置する予定だと言う。
また、集落の存続が危ぶまれた西原村には、航海士ナミを設置を予定している。
県は、寄付などを通じて被災地を応援してくれた尾田さんに県民栄誉賞を贈呈。
熊本市内の県庁舎前に昨年11月、高さ174センチのルフィ像を置き、
他の像については、31市町村が設置を望んでいるという。
いずれにしてもワンピースが熊本復興の一翼を担うだろう。