先日図書館でサン=テグジュペリの"Le Petit Prince"『ちいさな王子』(野崎歓訳・光文社古典新訳文庫)をふと手にとってみて解説だけ読んでみた。それによれば、"Le Petit Prince"は聖書、『資本論』の次に多く翻訳された作品だといわれているそうである。(ちなみにネット上にはベストセラー本の一覧といったページもあった。セラーというよりは流布本だろう。版元によっては売ってはいかんと言ってる本もあるし)
本の話題で、まことしやかな「真実」として10年以上前に、
今回の"Le Petit Prince"のみならず、昨年から古典の新訳や全面改訳になった作品を、ちらほら見ているが、訳者たちの解説のなかにはこれまでの苦労に加えて、これまで異議を唱えることなどタブー視されていたような先達たちの訳に対し、ようやくものを言える様になった開放感で満たされていることが少なくない。
そういえばこれも10年以上前だが、「『星の王子さま』は誤訳があるんでしょ?」と、やたら強調され、それに同意を求められたことがある。私は読んでいなかったが、同意を求めたがってた人の口からは内藤濯の「な」すら出なかった。
二つ目の訳で久しぶりに読んでみようか、図書館から借りて。