デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



Le Roi du Pot au Feu

私の旅行スタイルは食は二の次、レストランなどにはこだわらず、とにかく安く手軽に早く済ませてしまうタイプである。現地のスーパーで買った飲み物とサンドイッチとちょっとした野菜類、もしくはファストフードの持ち帰りで、晴れていたら町の広場や公園、雨でも駅のベンチ、移動中の列車で席にテーブルがついていれば車内で食べてしまう。カフェにも入るが、トイレを借りたいときやコーヒーを頼んで休憩する程度に留める。
しかし、これだとやはり食べる物がパターン化し、パンやピザ、ホットドッグ、バーガーにサラダといった偏食になってしまう。
そうなると高級料理はいらないけれども、レストランで手料理を食べたくなる。ある日、夕食摂りたいと思ったとき、歩いて行ける距離に有名旅行ガイドブックにも載っており、インターネット上でもレビューが少なくない観光客向けのレストランがあった。ル・ロワ・デュ・ポトフという店だが、灯りに吸い込まれるように入店した。


座った席にて



コンソメスープとパンとワイン



ポトフ(画像では分からないがかなり量がある)

観光客慣れしたレストランに一人でこの時初めて入った。出す料理はフランスの家庭料理ポトフとワインとデザートぐらい、といった店だったが、店内のテーブルは所狭しと並べられ、いい感じに客の会話する声がざわついた、入るのに抵抗の無いレストランだった。
客が多いので一人ひとりに丁寧に接客する店ではないが、担当のオバちゃんはテキパキと慣れた対応をし、いろんな国の観光客が訪れても感じのよさが変わらない。日本語に飢えはじめていたときに、「コンソメスープ」「あかわいん」とこちらの気持ちをくすぐる、少しイントネーションに特徴のあるピンポイントな日本語で対応されたら、正直参りました!という気持ちになったものだ。それにたたみかける形で煮込まれたコンソメスープと豊富な量のポトフを出され、ゆっくり店の雰囲気を楽しみながら食べると生き返る気分になる。いろんな意味で巧いなぁと思わされた。
日本人は多く来店しますか?と訪ねてみた。「A little」と返事されたが、有名ガイドブックを手にしてパリに来た人の中では、少なくないのではと思う。
おそらく、食べ歩き目的の旅である人ならば、ここに紹介した料理の味とワインの質には賛否両論が起こるだろう。しかし私は非常に美味く感じ、ゆっくりとだがワインもたくさん味わった。レストランで出会った女性三人連れとも自然に言葉を交わせるようになる味だった。夜遅くなってもライトアップされたルーヴルとエッフェル塔と見に行く元気が出た。



写真いいですか?と訊ねても抵抗なくカメラの方に顔を向けてくれるのはさすがだと思った。観光客にとって行きやすい店の魅力というものが、この時はじめて分かった気がする。観光客を相手に繁盛を続ける店のモデルを見たように思った。

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