デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



クレオパトラの妹の墓が見つかったという謳い文句に煽られて、NHK BSで再放送された『エジプト発掘第3集 妹を憎んだクレオパトラ』を録画して見た。
詳細は割愛するが、クレオパトラの妹アルシノエはエフェソスで殺されて葬られ、その墓にあった遺骨からアルシノエの身体や顔を再現する過程のところはおもしろかった。
再現されたアルシノエの顔については、「妹を憎んだクレオパトラ」「アルシノエ」のキーワードで画像検索すれば出てくる。私としては、再現された顔はある意味期待通りだった。
数年前まで私も数多い「クレオパトラやその親族はギリシャ系の顔立ちで肌は白い」という考え方をもつ一人であったが、ギリシャ系の血とエジプト系の血との混血という可能性を考え始めてからは、映画で見る「クレオパトラ」は中らずと雖も少しくらいは遠からず程度だろうと思うようになった。
番組で映っていた再現されたアルシノエの顔を見て、昔の美人の基準というものに思いを馳せさせてくれることうんぬんも考えるのもたのしい。ただ、アルシノエとクレオパトラの顔が似ていたとしても、「美人」であったことが、即ローマ人を虜にしたとされる最大の理由ではないように思う。歴史書自体、カエサルらが生きていた頃よりは100年以上あとに書かれたものだし、その後の美貌を強調した脚色のイメージは現代人のもつアルシノエやクレオパトラ像に大きな影響を与え続けているのだ。その影響のことを思うと、「クレオパトラの鼻」をすぐに引用することが“一般教養”というのは、パスカルだけでなくアルシノエやクレオパトラからもあの世で泣きながら失笑を禁じえない気持ちになっているのかもしれないなぁとか、たわいも無いことを考えてしまった。

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