デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 




ここ数回、交通費節約術の説教臭い話しばかり書いていたが、今回は他山の石としていただけるドジ話である。結論を先に書けば、インフォメーションでよく確認しろ、である。
世界遺産にポン・デュ・ガールという遺跡がある。そこへは、アヴィニョン・サントレやニームからバスで行けるが、ド田舎の場所ゆえバスは一日数本と、いかんせん便数(本数も)が少ない。
アヴィニョン・サントレのバスターミナルからA15番でポン・デュ・ガールのバス停"Rond Point Pont du Gard"に1.5ユーロ(実は運賃に関しても自分のドジがあったのがここでは触れない)で着き、遺跡を見学したまではよかった。
問題が発生したのは帰りであった。対面通行の道路ゆえバス停が上りの分が一つ、下りの分が一つと、向かい合って立っているのは珍しくないことだが、問題は二つのバス停が直径40m近くのラウンドアバウト(roundabout:円形交差点)を挟んで立っていることであった。おまけに両バス停ともに止まるバスの上り下りの時刻表が貼ってあったのだ。


赤■がバス停。こういう位置関係



ポン・デュ・ガールに到着した方のバス停



ラウンドアバウト(roundabout:円形交差点)。右端に小さく向かいのバス停が見える。



A15番、B21番、どちらも上り下りの時刻表が貼ってある…

アヴィニョン・サントレに帰るだけならば簡単だ。来るときにA15番が着いたバス停と異なるラウンドアバウトを挟んだ向かいのバス停でA15番を待てばいいだけのことだ。
しかし、私はニームに行くためB21番に乗らねばならないのだ。バス停には止まるバスの次の駅の表示がない! 要するに、ニーム行きB21番はどちらに止まるのだ?
パリの最高気温が15℃、ポン・デュ・ガールの気温は31℃、緯度の差で生じたおそろしいくらいの暑さの中で汗を拭きながら、私はどちらに目的のバスが来るのか分からず中間の位置で待ち、バスが見えた瞬間に駆け出そうと身構えてた。大雑把な南仏の地図からして、ニーム方面はこっちだからポン・デュ・ガールにA15番で着いた方かなぁと何の根拠も無い材料で勝手に予想し、そちらよりの日陰で待っていた。バス停の前ではカーステレオから音楽を大音量でかけた車が止まり、なかなか動き出そうとはせず、警戒心ゆえ半ば不安になった。


もう一つのバス停(ニーム行のB21番に、ここから乗った)

バスの到着時刻になった。しかし私の予想は外れ、遠いほうのバス停にB21番が高速でやって来るではないか! あらかじめ用意しておいたA5用紙サイズの紙に書いた「NIMES」の文字を頭上に掲げ、あわててバスに走り寄った。運転手さんは私の行動を察してくれて、バス停から少し過ぎたところで止まってくれ、にこやかにドアを開けてくれた。私が乗り込んだ後、運転手さんは何事も無かったかのように他の乗客と談笑しながら、ニームへの田舎道をすっ飛ばした。いろんな意味で汗が止まらんかったが、バスの中では楽しかった。

ぐだぐだと書いたが冒頭の結論、インフォメーションでよく確認しろ、の理由は上述の通りだ。インフォメーションというのはポン・デュ・ガールのインフォメーションや博物館でバスの時間その他について教えてくれるセクションのことである。
世界遺産とはいえ、いつもバス停に観光客がいるとは限らないのだ。それにポン・デュ・ガールのある場所は本当にド田舎で、昼のバスを一本逃すと夕方まで次はありません状態なのである。外国の旅で重要になるのは、結局のところ体力と注意力だと思っているが、この時はポン・デュ・ガールに着いた時点でB21番について分からないでいたのに、注意力を発揮せずインフォメーションで訊ね忘れたのだ。いい思い出だが、お粗末であったとも今も思っている。

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