デカダンとラーニング!?
パソコンの勉強と、西洋絵画や廃墟趣味について思うこと。
 



上田正昭著『古代の道教と朝鮮文化』(人文書院)読了。

今年3月に逝去された上田正昭氏の著書だが、読み始めてから別の本を割り込ましたりしていたので、読み終えるまで時間が掛かった。
ただ、1ヶ月ほど前に最初から改めて読み始めたらおどろくほどおもしろく読めた。ここ数年道教関係の本を読んでいることもあり、渡来人が仏教や儒教だけでなく、道教信仰ももたらしたことについて考古学の視点から論述しているわけだが、驚くこともあれば納得することも多くあった。また隣県が福井県や滋賀県ということもあって昔の文献や伝承と渡来系の人々の縁の地名や姓名と考古学的成果が符合する事実を知ると、さらに隣県への親しみが湧くというものだ。
実は最近、日本からはるかに遠い大陸の地域の宗教や言語が古代の日本に影響を与えていると信じきっている人の話を聞いて、その内容がどう考えても「似ている」とか「こじつけ」とか「語呂合わせ」の範疇を出ず考古学的・人類学的・遺伝学的に立証が困難な荒唐無稽な珍説だったのだが、しかしトンデモ理論が時として政治や歴史を動かしてしまうゆえ、自分の中でその珍説に対峙するための基本的な知識や考え方が上田正昭氏の著書でも補完できてよかったように思う。

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