7月7日(金)、5限にF101教室で、標記が開催されました。私は今年度から言語文化部門長を担当しているので、時々このような例会の運営をします。
最初の例会は、中国の湘潭大学の交換留学生2名の研究発表が実施されました。湘潭大学は中国でも有名な大学で、四国大学と単位互換交流がなされていて、お互いに留学生を送っています。1年前から留学している2名は日本文学科に在籍しています。最初の発表は羅稼俊くんが「批判的ディスコース分析」と題して、マスコミの記事などに関してどのように対応すべきかについて述べました。マスコミの記事には、主義や権力側の都合などが盛り込まれてしまうので、事実を客観的に知るするためには、素直に受け取るのではなく批判的に分析して、なるべく多種の機関の報道を比べるのがよいとのことでした。インターネットが普及して以来、多くの情報があふれる現代には重要な視点だと思います。発表後に会場から3つの質問・意見が出されました。
次は屈蕾さんが「異文化における日本語訳」と題して、日本と中国との言語文化の違いについて述べました。中国語の表現が直接的なのに対し、日本語は間接的・婉曲的な表現が多いことを述べました。例として日本人女性が男性から告白された際に、約30分間も婉曲的な表現で話し続け、最終的には断った場面に驚いた経験を挙げました。それは日本の「恥」と「和」の精神によると分析しました。中国なら一言で断って終わりという場面を一人寸劇で表現して説明したことで会場は笑いに包まれました。この発表に関しては、日本人が婉曲的な表現をするのは、歴史的に移動のない小集団の中での生活をせざるを得なかったからという意見、中国語における男女別表現の有無に関する質問もあり、参会者の言語的な意識を高めることにつながりました。大学院生からの質問意見もあって質疑応答も盛り上がりました。
和気藹々とした雰囲気で、楽しい発表会になりました。お二人とも、大変優秀な学生で、日本語もマスターされ、1年間の日本留学でも様々な経験を得て帰国することになったと思います。屈蕾さんが、日本語学習者として中日両国の「架け橋」になりたいと言った言葉が印象的でした。お二人には帰国後もさらに学問を深め、活躍してほしいと思います。
四国大学にもアジアを中心に様々な国から留学生が来ていますが、日本人にとって彼らとの交流が大きな刺激になっています。