ぱたぱた仙鳩ブログ

徳島から書道文化を発信します。

杉村先生の熱弁

2011年08月10日 | インポート

Netubenn8月6日に帰国し、7日には京都まで杉村邦彦先生の講演会に行って来ました。杉村邦彦先生は日本の書学研究の第一人者で、一昨年まで5年間は徳島にお住まいでした。現在は大阪にご在住です。今年、第5回立命館白川静記念東洋文字文化賞を受賞され、その記念講演会が開かれました。演題は「内藤湖南と犬養木堂」で、明治時代の日本と中国の書道交流に関するお話が聞けました。その熱弁は、学者としての人生の気迫を感じさせるものでした。辛亥革命で清朝が滅亡する時に、清朝の高官や文人たちは生活のためにそれまで所蔵していたさまざまな文化財を切り売りすることになりますが、それが西欧に流出しそうになった時に、東アジアに留める必要を主張し日本の財閥に働きかけてそれらを日本に購入させた中心人物は内藤湖南でした。今日、私たちが各地の博物館で、中国の書道文物をいろいろ鑑賞することができますが、この時に購入されたものも多いのです。

現在の自分たちの状況の真実を知るためには、やはり歴史を知ることが重要です。それは意外なところとつながっていたりします。「徳島」という限定された地域の現在を本当に知るためにも、徳島だけでなく、日本全国や世界各国の様々な時代のこととつながっています。真実を知るためには常に広く深い視野が必要なのだと思います。そんなことを感じた講演会でした。


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