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知の巨人 藤澤東畡展 ~没後150周年記念~

2013年11月17日 | インポート

Tougai111月16日(日)、先週から標記の展覧会が香川県高松市昭和町一丁目の高松歴史資料館で始まりました。詳しくは下記サイトをご覧ください。

http://www.my-kagawa.jp/event/event.php?id=813

藤沢東畡 (ふじさわとうがい) 寛政6~元治1(1794~1864)  71

讃岐香川郡安原村生まれ。名は甫、字は元発、通称は昌蔵、別号は泊園。幼少から学に志し、中山城山に学び、25歳で長崎に遊学。高松福田町で塾を開いた後、文政7年(1824)、大阪に出て、泊園書院を設立、『原聖志』『思問録』などを著わして名声は天下に高く、大阪在住のまま高松藩士となった。古文辞学に精通し尊王の志が厚かった。元治1年(1864)、将軍家茂に二条城で会見し幕府儒員になるように命ぜらるも辞した。後に彼の蔵書2万冊が関西大学に寄贈され「泊園文庫」となった。

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Img_3910藤澤東畡は、江戸末期に塩江で生まれ、中山城山門下として高松で成長し、大阪で花開いた儒学者で、大阪の「泊園書院」は幕末から明治に大阪で最大の私塾として多くの人材を輩出し、その流れは現在の関西大学に続いています。今回は、讃岐の交流人脈や、讃岐に残る書道作品を中心とする企画展です。展示の軸・屏風の解説文を依頼されて詳しく調べました。書もたいへん美しいです。このほか、大量の書簡が初公開されました。こちらの解説は別な方がされています。なお、塩江に保管されていた東畡の肖像画は、今回の調査で鳥取県大山寺圓流院の画僧である嗒然(とうぜん・とうねん)という人の描いたものであることがわかりました。Tougai2洒脱で楽しい肖像画です。米子では有名な画僧で、旧家には必ず1点ずつ保管されていますが、全国的には珍しい作品です。どんな経緯でこの画僧が東畡の肖像画を描いたのかは謎です。

Tougai3_2

右下の写真は、会場で近くの英明高校の田山泰三先生が列品解説されているところです。

16日(土)午後には、資料館の下の階のホールで、講演も頼まれて実施しました。

「藤澤東畡の交流と書」という題です。このところ、この講演の準備でなかなか多忙でした。

調べてみると、東畡のした仕事は、本当に膨大で、交流人脈も一流で、素晴らしい人物だったことがわかりました。東畡の後継者の南岳の作品も展示されています。

同じ文章内容の屏風が2双展示されています。

「新浪花十二勝屏風」です。明治時代の大阪の新たな名所、12か所を七言絶句で詠んだものを屏風に仕立てた作品です。右の写真はその屏風の一部ですが、四天王寺と桃谷駅について詠ったものです。東畡は学者的な真面目な書ですが、南岳はもっと芸術的にはじけた部分があって面白いです。

展覧会は12月23日まで続きます。月曜は休業です。

見ごたえがある展示です。ぜひご覧ください。


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