コロナ禍になって、学校の様相もずいぶんと変わってしまったんだろうなと感じる。
今日、2年ぶりに面接授業に出かけたのだが、校門を入って建物に向かっていると、守衛室のところから誰かを呼びとめる声がした。
その時、校門を入ったのは、私ともう一人の男性であり、その男性が守衛室に近いほうを歩いていて、私とは違う方向に進んでいたので、てっきりその人が呼ばれているのだろうと思った。
その人も、自分のことだと思ったらしく、足を止めてそちらに向かおうとしたらしいが、守衛さんはその人には、問題が無いことを伝えた。
そして、問題の不審人物は私のほうであり、私を呼び止めていたということが判明した。
面接授業は9時50分からだが、その時9時46分くらいだったので、私は急いでいた。ついつい昔の癖で10時からだと思ってしまうのだが、10分早いのだ。
守衛さんが私を呼んでいるので、近づいていくと、身分証明書を見せろとのこと。
今まで20年間も放送大学に在籍してるが、敷地内や建物内に入るときに、身分証明書を提示しなければならないなんてことは一度もなかったので、驚いた。
学生証は財布の中に入れっぱなしになっているので探す。
色々なカードが束になって入っているのだが、なかなか学生証がみつからない。
運転免許証・マイナンバーカード・保険証・色々な店のポイントカード・クレジットカードetc.etc.
おかしい、無いはずはない。遅刻しそうで焦る。
しかも、雨が降っていて傘をさしたままなので、手が自由に動かない。
学生証は、先日美術館で使ったので、あるはずである。
そうして、やっと見つかった。
それを見せてやっと入場が許可された。
いったい、いつからこんなに厳しくなったのだろうか?
あわてて走って教室に向かう。なんとか間に合った。
・・・
教室は、2人用の机だが、1人ずつしか座れないようになっており、しかも、前後が交互になるように座ってはいけない位置が示されていた。
定員40人でも20人しか入れず、30人でも15人しか入れないようだ。
だから、自分の席が窓のそばで寒いとか、後ろのほうで先生の声が聴こえないとかいっても、席を変えることもできないのだ。
・・・
私はもう授業を受ける気が無くなり、帰宅することにして外に出た。
意外に外は暖かい。なぜ教室があんなに寒かったのだろう?
日が射さず、涼しい風だけが通り抜けるからかもしれない。
校門のところの扉を改めて見ると、身分証明書を提示するように書いてあった。
どうも、コロナの関係でそうなったらしい。
見知らぬ人間がコロナを持ち込んだらいけないからなのだろうか?関連性が意味不明だ。
本当に全員調べているのだろうか?
校門の扉は、内側に開いていたので、登校するときには目に入らなかった。
・・・
なんだか、わからないが、急に放送大学というものに対する意欲が消え去って行った。
・・・
関係ないけど、先日静岡県の実家に帰ったら、東京の大学に1年前に進学した近所の子が、自宅から通っているとのことだった。
いくらなんでも片道4時間もかけて通学するのは無理だろうと思ったが、考えてみたら、ほとんど対面授業が行われていなかったのであろう。
私の時代には、必ずアパートを借りて住まないと大学生活なんかできなかったはずだし、東京に出るのが夢でもあった。
しかし、今の子たちはそれができなかった。一旦アパートを借りても意味がないので引き払う子もいるという。バイトもないのだそうだ。
そうして、結局退学してしまう子も多いのかもしれない。
なんか、ときめきのない世界になってしまった。
大学でさえ、校門を入るのに、人を見たら新型コロナ持ち込み危険人物と思われているらしい。
もう、勉強をやめて、人の少ない自然の中に散歩に行きたいなと思った。