グリーンズ・テイブル

ppのピアニッシモな戯言でござ~い☆

詩とファンタジー №8

2009-09-04 07:35:17 | 

2009夏空号 投稿詩とイラストレーション
責任編集:やなせたかし
かまくら春秋社
特集:与謝野晶子の情愛と詩

毎回の発行を楽しみにしているものの、前回同様、気に入ったのが少なくて…
ちょっと陽水(井上)の世界を彷彿させたのをひとつ紹介しますね。

潮風が吹きぬける町
      福本てつ夫
あの夏の日だけだったね
ギラギラの太陽の下
十八歳のきみと 十七歳のぼくが
この海で 仲よく泳いだのは…

ひと泳ぎして 海から上がると
ぼくたちは 砂丘をのぼり
砂丘をくだっていくと きみの家があって
家の前の 小屋の中には
水を張ったタライが置いてあり
まずぼくが その小屋の中で
海パンを脱ぎ 体をあらい 体をふき
半ズボンとシャツを着て
きみのお母さんが切ってくれた西瓜を
茶の間で
ノースリーブに着替えてきたきみと
食べれば
ぼくの夏はゆっくりと 終わっていった

あの夏の日から
何十年が過ぎたのだろう…


絵・永井夏夕


2 コメント

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Unknown (suzaku)
2009-09-05 14:02:25
この詩を読ませて頂き、私事ですが
人生の半分を甲子園で過ごした、少年時代
のある夏の日を思い出させてもらいました。

詩の様にロマンチックではありませんが、
小学生の頃朝起きると、南の空から漁船の
エンジン音が、ポンポンとリズミカルに
聞こえ、近くの神社の松の木からは鳶の
鳴き声で長閑かな一日が始まります

四つ年上の姉や友達と1.8キロ離れた
甲子園浜に海水浴に行き、帰り道、
氷が入れられた冷やし飴屋さんのガラス瓶
の表面の水滴を横目に見ながら
家から持ってきた、煎ったそら豆を海水でふやけたのを、食べながら帰ります

タライで行水し塩分を落とし、井戸で冷やしてあったトマト、スイカを縁側で食べたあの頃を懐かしく思い出しました。

月日が経つにつれて、世の中が騒がしく
なったのか、建物が多く建った為か、
漁船のエンジン音、鳶の鳴き声は聞こえなく
なりましたが、
今でも600m離れた、甲子園球場の応援の歓声は、この夏お墓参りした時にも、高校野球の声援が聞こえておりました。

冷たくて美味しそうな、冷やし飴、
塩味が適度に効いて柔らかくなったそら豆、
泳ぎすぎて、冷たくなり、唇を紫色にして
歯をガチガチさせて、帰り道歩いている間に
心地よい暖かさになり、家にたどり着いた
頃には、汗いっぱい。今食べると、生臭い
トマト、甘くないスイカでも美味しかった。


この詩のおかげで、お金で買えない
思い出ありがとう。
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思い出 (pp)
2009-09-05 18:58:40
海水浴で歯をガチガチ、唇を紫に…そうでした。
バス停を幾つ分も歩いて行ったプール、帰り着くころにはまた大汗で。
酸っぱいトマトはお砂糖をつけて食べました。

時間がゆっくり流れた時代でしたね。

少女時代の素敵なコメントありがとうございます。
私の経験ではないのに、情景が思い浮かび、なんだか懐かしくさえありました。
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