1961年
開幕第一日の巨人ー中日戦で中日の与那嶺がやった対巨人報復? ホームランの第二号を今度は国鉄の土屋がやった。第二戦の四回裏、堀本からたたいた右越へ勝ちこし2ランだ。いつものポーカー・フェース、土屋はゆっくりホームインした。肉がついて巨人時代より一まわり大きくなった感じだ。「ホリさん(堀本のこと)に打たせてもらったようなものですよ。真ん中からやや外角より、ベルトのあたりの直球だった。ホリさんはスピードはあったが本調子じゃないようですね。普通ならあんなものじゃないですよ」土屋は巨人の選手のことは決して悪くいわない。「巨人の選手とはいまでも仲がよいですよ。上の人(幹部)とも悪いということはありませんがね。ぼくは別に巨人にいるときエライ人に話をしかけなかったものだから、変にとられちゃったんですよ。しかし巨人とゲームをするのはイヤですね。紅白試合というより、なにか同士うちをしているようなぐあいでね。きょうのホームランも打ったのはうれしいが、ホリさんから打ったというのはどうも・・・」と複雑な表情。土屋と堀本はたいへん仲がよく、敵、味方になったいまでもいっしょに出かけたりしているのだからなおさら後味がよくないらしい。昨年暮れ土居との交換トレードで国鉄に移った。巨人が土屋のあとの穴うめに悩みぬいている。この日は広岡を二塁、宮本を三塁、長島を遊撃にまわすといった苦しい内野を編成しているとき、土屋は国鉄の二塁を楽々とこなし三割五分六厘の高打率でベストテンの上位にすわっているのは皮肉な話だ。「川上さんに復しゅうしたいなんて気持ちで打ったんじゃないですよ」土屋は何度目か言葉をくり返してフロにはいりにいった。
開幕第一日の巨人ー中日戦で中日の与那嶺がやった対巨人報復? ホームランの第二号を今度は国鉄の土屋がやった。第二戦の四回裏、堀本からたたいた右越へ勝ちこし2ランだ。いつものポーカー・フェース、土屋はゆっくりホームインした。肉がついて巨人時代より一まわり大きくなった感じだ。「ホリさん(堀本のこと)に打たせてもらったようなものですよ。真ん中からやや外角より、ベルトのあたりの直球だった。ホリさんはスピードはあったが本調子じゃないようですね。普通ならあんなものじゃないですよ」土屋は巨人の選手のことは決して悪くいわない。「巨人の選手とはいまでも仲がよいですよ。上の人(幹部)とも悪いということはありませんがね。ぼくは別に巨人にいるときエライ人に話をしかけなかったものだから、変にとられちゃったんですよ。しかし巨人とゲームをするのはイヤですね。紅白試合というより、なにか同士うちをしているようなぐあいでね。きょうのホームランも打ったのはうれしいが、ホリさんから打ったというのはどうも・・・」と複雑な表情。土屋と堀本はたいへん仲がよく、敵、味方になったいまでもいっしょに出かけたりしているのだからなおさら後味がよくないらしい。昨年暮れ土居との交換トレードで国鉄に移った。巨人が土屋のあとの穴うめに悩みぬいている。この日は広岡を二塁、宮本を三塁、長島を遊撃にまわすといった苦しい内野を編成しているとき、土屋は国鉄の二塁を楽々とこなし三割五分六厘の高打率でベストテンの上位にすわっているのは皮肉な話だ。「川上さんに復しゅうしたいなんて気持ちで打ったんじゃないですよ」土屋は何度目か言葉をくり返してフロにはいりにいった。